研究課題/領域番号 |
63606003
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
蟻川 達男 東京農工大学, 工学部, 教授 (90011543)
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研究分担者 |
松澤 通生 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (10010943)
島村 勲 理化学研究所, 原子過程研究室, 副主任研究員 (30013709)
佐藤 幸紀 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (10006158)
桑田 敬治 大阪大学, 理学部, 教授 (50028099)
金子 洋三郎 東京都立大学, 理学部, 教授 (30086988)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
41,000千円 (直接経費: 41,000千円)
1988年度: 41,000千円 (直接経費: 41,000千円)
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キーワード | 衝突誘起光吸収過程 / 完全状態識別 / 配向分子線 / 反応の配向依存性 / R行列法 / リドベルグ状態 / 超励起状態 / 線形3原子分子モデル |
研究概要 |
励起分子およびイオンが特定の条件のもとで起こす衝突過程には、極めて特徴的な反応機構が存在する。それらの特徴を詳細に解明することを目標として、新しい実験技術と測定方法の開発、および理論的解析の新しい手法を発展させることが本現題の目的である。本年度に得られた研究成果の例は、下記のとおりである。:(1)強い光子場のもとで衝突の途中にある原子・分子錯体が光を吸収・放出する過程を研究するために独自の測定技術を開発し、ストロンチウム一希ガス系などで衝突誘起光吸過程を観測し、光吸収断面積の絶対値を高精度で決定した(佐藤)。(2)高分解能イオン分光装置を改良して、1荷イオンで20meV、2荷イオンで40meVの分解能を初めて達成し、スピン軌道状態間の衝突遷移確率の微小な差を正確に測定する技術を確立し、電荷移行反応で生成される分子イオンの振動準位分布がフランク・コンドン分布からずれることがあり、これが多交差ランダウ・シェナー理論でよく説明される等の知見を得た。(金子)。(3)配向分子線装置をほぼ完成し、反応分子の配向と反応断面積の関係を明らかにした。例えば配向したCH_3CNと準安定A_1原子との衝突過程に応用して、CN(B)状態を生成する断面積がCH_3方向とCN方向とで約1.5倍の配向依存性を示す等、新しい多くの知見を得た(桑田)。(4)有機金属化合物の超励起状態(分子のイオン化エネルギーより高い準位にある電子状態)の分解過程に関し、パーフェクトロンを用いて詳細な知見を得ることができた(蟻川)。(5)それと並行して超励起状態の理論的解析にR行列法を応用する新しい手法を展開し、水素分子を例に、2電子励起リドベルグ状態の複素量子欠損の核間距離依存性を調べた。(島村)。また、(6)He励起原子中の2電子の相関効果が衝突に際して果す役割を線形3原子分子モデルに基づき、相互作用の有効距離等に注目して、励起の傾向則を理論的に調べた。
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