研究課題/領域番号 |
63606508
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
平岡 賢三 山梨大学, 工学部, 教授 (80107218)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1988年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 高圧質量分析計 / クラスターイオン / アルゴンイオンクラスター / マジックナンバー |
研究概要 |
イオンの気相溶媒和反応により生じるクラスターイオンの生成のダイナミックスおよびその物理化学的性質に関する研究は、基礎および応用分野に重要な情報を提供する。本研究では、アルゴンイオンクラスターの生成のキネティクス、熱力学的安定性および構造について検討した。 Arガスを電子線パルスでイオン化し、生成する全イオンの相対強度の時間依存性を測定した。Ar^+の初期の減衰に指数関数からのズレが見られた。この減衰は2つの直線成分に分解できる。これらの実験結果は、基底状態のアルゴンイオンが2つの微細構造(2P3/2と2P1/2)から成り、これらが各々異なる速度で反応することを示唆する。Ar^+(2P3/2)は基底状態のAr^+_2を生成するが、Ar^+(2P1/2)はrepulsiveな励起状態のAr^+_2に相関するのである。 Ar^+nクラスターの熱力学的安定性を測定した。Ar^+nのn=3〜4間に安定性の大きなギャップが見られる。このことから、Ar_3^+で共有性結合(電荷移動Ar_2^+←Ar)が生じ、Ar^+_4以上のクラスターでは結合様式が静電的なものに変わることが分る。即ち、大きなクラスター内では、Ar_3^+がコアイオンとなり、これをAr原子が弱い静電的結合で溶媒和する。n≧4の-△Sn-_1、nが比較的小さいことから、Ar_3^+の周りのポテンシャルは浅く等方的で、Ar_3^+を取り巻くAr原子はクラスター内で大きな運動の自由度をもつものと予想される。アルゴン中性クラスターArnのイオン化で観測されるmagic number n=3は、とくに安定なAr_3^+から説明できる。アルゴンクラスターイオンはAr_3^+(Ar)nと表現できる。またArn中性クラスターの光イオン化のchromophoreはAr_3と予想できる。当初Ar_3^+は正三角形構造(D3h)をもつと予想されたが、最近の計算結果は全てAr_3^+が直線構造をもつものと予想している。実験結果は、Ar_3^+が直線構造を有することを支持している。
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