研究課題/領域番号 |
63607513
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 史衛 東京工業大学, 工学部, 助教授 (50016606)
|
研究分担者 |
小林 雄一 東京工業大学, 工学部, 助手 (90153650)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 不斉シャープレス・エポキシ化反応 / 光学活性な2-(フリル)アルコール / 2-(チエニル)アルコール / 1-ビニル-1 / 2-ジオール / δ-ヒドロキシアリルシラン / アリルアルコール |
研究概要 |
我々は最近、γ位にヘテロ原子を有する2級アリルアルコールのシャープレス不斉エポキシ化反応による速度論的光学分割が超効率的に起こることを見出した。本年度は、この反応を基盤として次の2つのテーマで研究を行った。 1.この反応生成物の合成的展開 2.部分的構造がアリルアルコールとも見なせる2-(フリル)アルコール、2-(チェニル)アルコール、2-(ピロール)アルコールの速度論的光学分割 その結果、下記の様な良好な知見が得られた。 1.光学活性なγ-ヨウドアリルアルコールおよびγ-トリメチルシリルアルコールより数工程でδ-ヒドロキシアリルシランの(E)-および(Z)-体が立体選択的に合成できた。このアリルシランをエポキシ化すると、エリトロ・エポキシドならびにトレオ・エポキシドがそれぞれ立体選択的に合成できた。得られたエポキシドをフッ素アニオンで処理すると良好な収率で1-ビニル-1、2-ジオールのエリトロおよびトレオ体を得ることができた。こうして合成したジオール化合物はリポキジン、DIHETE、プナグランジンなどの合成に利用できる。 2.2-(フリル)アルコールならびに2-(チエニル)アルコールの速度論的光学分割がシャープレス不斉エポキシ化反応条件下高率的に進行することを見出し、この方法が、この種の化合物の光学活性体を合成する一般性のある実用的な方法になることを明らかにした。2-(ピロール)アルコールはこの条件下、不安定なため、良い結果は得られなかった。 3.上で合成した光学活性な2-(フリル)アルコールのフラン環を酸化するとα-アルコキシカルボン酸あるいはピラノンが合成できた。
|