研究課題/領域番号 |
63609001
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
豊嶋 勇 北海道大学, 触媒研究所, 教授 (80001709)
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研究分担者 |
射水 雄三 北見工業大学, 工学部, 助教授 (10125388)
田中 勝己 北海道大学, 触媒研究所, 助手 (30155121)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 凝縮相 / 分子状吸着 / 解離吸着 / シリコン / トリメチルガリウム(TMG) / X線光電子分光(XPS) / 紫外光電子分光(UPS) / シラン化剤 |
研究概要 |
新しい機能をもつ表面物質として、相互作用をもつ二次元凝縮相を規定された表面上に作製し、それらの物性および反応性を調べることを目的としている。そのために本年度実施した研究は1.Ni/Si(111)系の表面状態を反応性、2.Si表面でのトリメチルガリウム(TMG)の吸着と熱・光分解過と表面状態、3.複合酸化物表面の構造と反応性で、これらの研究はXPS、UPSなどの分光法により行った。その結果1.Ni/Si(111)系:既に報告したようにNiの被覆率θ_<Ni>≦2では、室温ではCoは解離と非解離の吸着状態が存在し、通常のNiと異なることを示した。 この理由解明のため、清浄Si(111)上に予めH原子を単原子層吸着させた上にθ_<Ni>=1.4蒸着し、COの吸着を行った。このような表面にはCOは分子状でのみ吸着することが示された。この方法で表面Niの性質を変えることが可能となった。2.TMG/Si(111)系;清浄Si(111)面には7・7KでTMGは多層物理吸着層を形成、この形成過程は一層ごとに成長することが示された。120Kから多分子層から単分子層に移行し、室温付近で化学吸着へと移行した。620K付近では化学吸着しているTMGから分解が逐次的に進行することが明らかとなった。またレーザ光による分解は熱分解とは異なる機構で進行することが示唆された。3.複合酸化物表面;SiO_2/Al_2O_3:シラン化剤を利用して、よく規定されたAl_2O_3上にSiO_2膜を単分子層以下の膜厚で堆積成長させ、SiO_2膜の成長形態と界面の反応性を調べた。その結果のAl_2O_3表面でのSiO_2分散性はシラン化剤の性質に依存することが示された。シラン化剤CH_3Si(OGH_3)_3からSi(OCH_3)_4とSi(OC_2H_5)_4に代えると、表面での交換治生の低下は穏やかとなり、CH_3Si(OCH_3)_3で調製した平均サイズより大きいSiO_2層が成長する。しかもその表面にはプロトン酸点が発現し、反応活性が10^2オーダ増大した。今後さらにこれらの研究を進展させるべく努力する。
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