研究課題/領域番号 |
63609003
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
壽榮松 宏仁 東京大学, 理学部, 教授 (70013513)
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研究分担者 |
網代 芳民 京都大学, 理学部, 助手 (00025438)
村上 洋一 東京大学, 理学部, 助手 (60190899)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1988年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 酸素分子の磁性 / 酸素分子層のESR / 酸素分子層のμSR / 酸素単分子層の帯磁率 / 2次元磁性体 / 黒鉛表面の物理吸着 |
研究概要 |
黒鉛表面上に吸着した酸素単分子層は、磁気モーメントをもつ理想的な2次元結晶であり、2次元磁性体として新しいタイプの磁気相転移を示す可能性がある。この磁気相転移を研究するため、種々の層厚さの酸素分子層結晶を育成し、その帯磁率、磁化過程、μSRおよびESR測定を行い、この磁性体の静的及び動的性質を研究した。 帯磁率の温度依存性測定では、被覆率c=1.7〜3.6にたいし酸素分子層の3Dバルク結晶融解にともなう異常が38K付近に、また、c=4.6では3D結晶の反強磁性相転移による異常が25Kに観測されたが、中性子回折の実験で報告されているT=11.9Kにおける2D結晶の磁気相転移の異常は観測されなかった(異常があったにしても、極めて弱いものである)。この結果は、面内帯磁率、および垂直帯磁率に共通した性質である。2テスラまでの磁化過程の測定では、磁化は直線的に増加し、磁気的相転移の証拠は観測できなかった。 一方、動的な磁気的測定であるμSR測定(プローブ時間10^<-13>〜10^<-10>)では、零磁場縦緩和法における緩和時間及び初期非対称性に12K以下に僅かな減少が観測され、系が秩序状態になったことを示唆している。さらに、ESR測定(高被覆率試料)では、約15K付近まで信号が観測されるのにたいし、それ以下では焼失することから、15K以下に磁気秩序相存在の可能性が考えられる。 これら動的な測定の結果は、酸素単分子層結晶の磁気的性質が2次元系に特有の揺らぎの効果に依っている可能性を示しており、2次元三角格子磁性体の統計力学にとって極めて興味深いものである。
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