研究課題/領域番号 |
63609006
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
西川 治 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (10108235)
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研究分担者 |
西垣 敏 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (60126943)
楠 勲 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (30025390)
原田 義也 東京大学, 教養学部, 教授 (20013477)
富取 正彦 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (10188790)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
20,000千円 (直接経費: 20,000千円)
1988年度: 20,000千円 (直接経費: 20,000千円)
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キーワード | 原子プローブ(AーP) / 走査型トンネル顕微鏡(STM) / 高温超電導セラミックス / Si(111) / 再配列構造 / ペニングイオン化電子分光 / 分子線 / He準安定原子線 / Cs@Si(111)とK@Si(100)吸着系 / K+O共吸収系 |
研究概要 |
昭和63年度の研究目的は、原子プローブ(AーP)や走査型トンネル顕微鏡(STM)の原子的高分解能を生かして、超微視的な観点から表面原子の配列や吸着原子・分子の動的過程等を解明すること、更に、これらの微視的研究と平行して、準安定原子ビームや分子線を試料面に照射して、表面構造や電子状態を調べ、微視的で直接的な研究と統計的で間接的な研究との成果を比較検討し、各手法の特性と特長を評価するとともに、表面研究に新しい視点をもたらすことにある。 AーPによる高温超電導セラミックスの構造と組成の研究では、YーBaーCuーO系とともに、BiーSrーCaーCuーO系が調べられた。注目すべき結果は、真空中または酸素雰囲気中のBiーSrーCaーCuーO面をNdーYAGレーザーのパルス光で照射し、スパッターされた粒子によりAーPのPtの針状試料の先端面上にセラミックスの薄膜を形成させたところ、下地金属と薄膜との界面ではCuがPtと混在する層があり、その厚みが1〜2原子層であることを見出だした事である。STMによるSi(111)面の構造観察では、広く観察されている7×7構造の他に5×5、9×9、cー(4×2)、2×2構造などの再配列構造が観察され、それらの構造の凹凸が0.1〓の高分解能で調べられ、STM像が走査探針の先端形状により変ることも示した。また、表面構造と組成と電子状態をより明確に解明できるAーPとSTMの複合装置の開発も進められている。 ペニングイオン化電子分光法により、準安定励起原子の脱励起過程は表面に局在するバンドの波動関数の空間的な拡がりが本質的な役割を果たすことを明らかにし、グラファイト、Si、TCNQ誘導体等の電子状態を調べた。分子線による表面研究では、Si(100)面上にC_2H_2ビームを照射し、表面の炭化反応を調べた。He準安定原子線法では、Cs/Si(111)とK/Si(100)系の吸着面の電子状態が被覆率が0.3〜0.4層で著しく変ることを見出だし、理論計算との一致をみた。また、Si(100)面上のK+O共吸収系の電荷分布も調べた。
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