研究課題/領域番号 |
63609506
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 敏男 東京大学, 物性研究所, 助教授 (20107395)
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研究分担者 |
中谷 信一郎 東京大学, 物性研究所, 助手 (40198122)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 結晶表面構造 / X線回析 / Si(111)表面 / √<3>×√<3>構造 / 構造解析 / Ag |
研究概要 |
個体表面の構造、たとえば、結晶表面の再配列構造や、表面に吸着した層の作る超構造の研究は、さまざまな方法で行なわれているが、それらの構造の原子配列については、いまだに分っていないものが少なくない。本研究では、垂直入射に近い条件を用いる独自のX線回析法により、結晶表面の原子配列を3次元的に決定することを目的としている。具体的には、Si単結晶表面上のAg、Biなどの金属を1原子層程度吸着したときにできる√<3>×√<3>構造について、吸着原子の配列および表面再配列Si原子の位置を決定し、なぜそのような構造をとるのか検討することを目ざしている。本年度は、試料の平行移動、回転に自由度をもたせるために、マニピュレータを整備した。 実験は、高エネルギー研の放射光を利用して行なった。Si(111)清浄表面にAgを一原子層程度吸着したときにできる√<3>×√<3>構造において、9つの分数次と整数次の回析スポットについて、逆格子ロッドにそっての回析強度の変化、すなわち、I-E(強度-エネルギー)曲線を測定した。解析した結果は、それまでに提案されていたものとは全く異なり、Ag原子は、三角形状に配列し、その三角形は互いに連なるようにハニカム状に配列していることを示した。最近、IBMのグループが走査トンネル顕微鏡で観測したハニカム状のものは、三角形状の3つのAg原子を1つの山としてとらえていると解釈すれば、本研究で得られた結果と矛盾しないことも分かった。さらに、整数次のスポットのI-E曲線の解析から、Si基板結晶に対する吸着位置も求められた。 表面付近の再配列したSi原子の位置は、分数次のI-E曲線の振動から求められる。解析の結果、少くとも、2つのSi2重層の原子位置は、パルクの場合からかなりずれていることがわかった。最終的な原子配列は、現在解析中である。
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