研究課題/領域番号 |
63610004
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野崎 義行 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (70126142)
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研究分担者 |
坪田 博行 広島大学, 総合科学部, 教授 (70013555)
長屋 裕 放射線医学総合研究所, 研究室長
中西 孝 金沢大学, 理学部, 助教授 (00019499)
中井 信之 名古屋大学, 理学部, 教授 (40022529)
蒲生 俊敬 東京大学, 海洋研究所, 助手 (70143550)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
1988年度: 10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
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キーワード | 化学トレーサー / 放射性核種 / 放射性炭素 / プルトニウム / タンデトロン / マンガン・ファイバー |
研究概要 |
研究航海としては、1988年6月8日〜7月11日まで白鳳丸KH-88-3次航海を行い北太平洋、ベーリング海においてCTD観測、各種採水、粒状物採取、採泥を行った。これら試料の分析は各分担者によって現在進められている。さらに淡青丸を用いたKT-88-17次航海では東シナ海から海水試料を採取し、またKT-88-19次航海では公募班(代表平木)と協力して、栄養塩自動分析の比較を行い、新しい世代の核種の実用化のメドを得た。 また1987年白鳳丸KH-87-2次航海で得られたかなりの試料について分析を完了し、いくつかの新しい知見を得た。まず沖縄舟状海盆深層水の化学的特徴をフィリピン海のそれと比較すると、温度、酸素、栄養塩はいずれもフィリピン海の深度約1000m付近に相当する均質は海水で占められているが、塩分は敷居深度より深いフィリピン海の深度約1500mに相当する。海盆深層水には^<137>Csが殆ど検出されないことから表層の海水が浸入しているとは考えられないので、深層水の形成過程について更に考察する必要がある。また東シナ海、黄海の^<228>Raと^<226>Raの分布を測定した。^<228>Ra/^<226>Ra比が陸棚の冷水では黒潮の表層水のそれに比し、40倍も高いことを利用し、対島暖流水の20%がこの陸棚の海水に由来していることをみつけた。その結果から東シナ海陸棚水の平均滞留時間は2、3年と計算される。また、沖縄周辺黒潮域の表層水では他の海域では見られない大きな^<210>Pbに対する^<210>Poの不足が観測されその原因究明が必要である。 加速器を用いた^<14>C測定の成果としては、1968年採取の太平洋縦断面における試料の測定をほぼ完了し、1972-73年のGEOSECSの結果との対比が可能となった。この期間に大気から海洋へかなりの^<14>Cが移行していることが明らかになった。またPuについては、その存在状態や分析の際の同位体交換速度などに関して新しい進展がみられた。
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