研究課題/領域番号 |
63610503
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小野 延雄 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (40001648)
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研究分担者 |
大島 慶一郎 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (30185251)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 海洋低層水 / 海水 / ブライン / フラジルアイス / 混合過冷却 |
研究概要 |
世界の海洋の低層を占める海水は、グリーンランド海と南大洋ウェッデル海盆付近とで生成され、海水からの排出ブラインによる塩分供給が重要な役割を果すと推測されている。本研究の目的は、寒冷海域における深層海水の形成過程を、理論的考察、低温水槽実験、オホーツク海沿岸での冬季現場実験観測、数値実験等により明らかにすることにある。 高密度海水形成機構の研究:低温低塩海水が等密度の高温高塩海水と混合すると、混合水は海水密度の温度・塩分関係が原因でより高密度になる。この密度増加効果はキヤベリングと呼ばれ、低温の海水が関与するほど大きく、また海氷生成を伴うとブラインが排出されるので高密度水の生産効率が一段と高まる。キヤベリングは南極低層水の形成要因とされているが、その効果は水深が増すと減少する。本研究では、海氷から排出されるブラインが下の結氷温度の海水と混合すると、ブラインの結氷温度の塩分依存関係が原因で混合水が過冷却となり、水中氷を生むという新しい高密度海水の形成過程を考えて、その効果の評価を試みた。 低温室内実験:低温室で低温高塩分ブラインを作成して結氷温度の海水に加えて混合し、氷の結晶が生成するのを観察した。種々の条件下で生じる氷の量を、熱量計での潜熱測定によって計測することを現在試みている。また低温送風実験水槽を用いたフラジルアイス生産量の測定は、昨年度に引き続き行った。 オホーツク海沿岸結氷での冬期現場実験観測:前年度、サロマ湖の海氷層を通して人為的に低温高塩分ブラインを流下させ、海氷下面に中空氷柱を生長させた。海氷下に流れがあると、中空氷柱が成長できずに水中氷となって浮上するのが観察された。その際に撮影したビデオを今年度に分析した。今冬は記録的暖冬となり、サロマ湖の氷も薄かったので予定の実験を一部変更して、3月に紋別港内で現場実験観測を実施した。
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