研究課題/領域番号 |
63610506
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉ノ原 伸夫 東京大学, 理学部, 助教授 (50090519)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 風成循環 / 熱塩循環 / 海洋大循環 / 深層循環 / 躍層 |
研究概要 |
海洋大循環は、その起動力によって、風成循環と熱塩循環とに分けられる。ただし、海洋は非線型システムであるので、それらを単純に重ね合わせて現実の大循環を説明することは出来ない。本研究では次のような手続の数値モデル実験を行うことにより、熱塩循環と風成循環の相互作用を明らかにした。研究対象を、海岸・海底地形は考慮しないが、南・北太平洋としている。A:モデル海洋の南西端域で冷却(深層水を形成)し、海面では一様に暖める。B:Aの結果に緯度に依存する海面での熱収支を考慮する。ただし深層水は海面では形成されない。C:Bの結果に現実的な分布の風の応力を与える。A及びBの結果、1.深層循環は基本的には最も冷たい海水の形成の度合によって決まり、海面における暖め方の分布には依存しない。2.ストメル・アロンの深層循環パターンは深層の下半分にのみ形成され、躍層下に顕著な流れの鉛道シアーが存在する。3.前年度の研究では予言された赤道に沿った東西流の鉛直高次モード型の分布は、熱塩循環の本質的な性質である。(最近のフレオンの観測によりその存在が大西洋で確認された。)次にCの結果、1.風の応力の効果によって、上層の循環、したがって躍層の三次元分布が現実的になる。2.しかし、亜寒帯循環域を除き、深層循環に対する影響は非常に小さい。 上記手続の実験を、等密度面を横切る混合効果としての、鉛直渦動拡散係数の値を変えた場合についても行った。その結果、海洋大循環、したがって海洋の成層構造は、この効果に最も依存することを示すことが出来た。海洋大循環モデルの完成のためには、サブグリッド・スケールの現象の評価が最優先の課題である。
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