研究課題/領域番号 |
63610511
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
増田 章 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (60091401)
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研究分担者 |
草場 忠夫 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (00037871)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 渦成循環 / 二次流れ / 深層 / 底層の流れ |
研究概要 |
1.渦成循環の数値実験と二次流れ 順圧海洋に対しHaidvogel and Rhines(1983)と同じ条件で、振幅展開に基づく二次流れの計算を行った結果は、彼らが数値実験という手間を掛けて得た平均流を良く再現した。更に三次まで展開したところ、瞬時場も驚くほど良く再現する。深層循環として重要な二層モデルに拡張すると、下層でもdouble gyre らしい流れが現われた。その流れはHolland and Rhines(1980)が二層海洋の渦分解数値実験で得た下層の流れとよく類似する。渦度入力域付近で傾圧的な挙動が目立っても遠方では順圧的になる。物質循環を表わすLagrange二次流れでは、Euler二次流れが卓越しStokes driftの影響は小さい。陸棚斜面をf面上の地形性βで近似すれば周期的境界条件の下での同種の問題であり、更に強い二次流れが形成されるが、流向はβ面上の場合と同様となるるる定性的結果は渦度入力の位置や周期によらない。本研究によれば、二次流れの概念は非常に有効であり、渦の場の強度分布、振動数-波数分布をパラメタライズする事が渦成循環を理解する上で基本的に重要である。 2.孤立渦の挙動、その渦度輸送と平均流 非線型性の強い孤立渦の効果を調べるため、順圧の場合に、室内実験とその数値シミュレーションを行った。線型、強非線型を問わず準地衡流方程式に基づく数値実験では室内実験を再現できる。但し、地衡流調節と粘性境界条件に改良の余地がある。初期孤立渦は、正味の渦度の有無によって、低圧(高圧)渦は北西(南西)方向に移動する。惑星βを斜面で置き換えたことによる非対称性も観られる。孤立渦の挙動は、低圧・高圧によらず、北向きの渦度輸送を意味する。孤立渦の頻度分布が極大の緯度で東向きの加速とその南北での西向きの加速が期待され、定性的には、弱非線型の二次流れの場合と同じである。
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