研究課題/領域番号 |
63610514
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
平木 敬三 近畿大学, 理工学部, 教授 (70088368)
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研究分担者 |
中口 譲 近畿大学, 理工学部, 助手 (30188916)
藤野 治 近畿大学, 理工学総合研究所, 講師 (70150331)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1988年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 微量必須元素 / 深層循環 / 原子スペクトル分析 / 生物関連有機化合物 / 有機態金属化合物 / 過酸化水素 / 化学発光 / 溶媒抽出 |
研究概要 |
1. セレン 海水等天然水中のセレンの約50%を有機態セレンが占め、さらに琵琶湖においては有機態セレンの高濃度帯にクロロフィルaの高濃度帯が出現し、その鉛直分布の特徴から生物による影響を強く受けていることが示唆された。そこでこのような結果が全海洋的に普遍的なものであるかを調査する目的で、太平洋のロイヒ海山周辺、アラスカ湾およびベーリング海においてセレン(IV)、セレン(VI)有機態セレンの鉛直分布を調査した。その結果、セレン(IV)は明らかに生物制限元素型の鉛直分布を示し、PO_4-PやNO_3-Nなどの栄養塩と極めて類似した鉛直分布を示すのに対し、他のセレン種ではそのような特徴は見出せなかった。さらに有機態セレンについては特にアミノ酸態セレン化合物の分画分析法を確立し、上記の試料に適用した結果ベーリング海の深層においてアミノ酸態セレンの増加傾向が認められた。 2.モリブデン 海水中のモリブデンについては比較的多く研究が行われているが、その溶存種のほとんとが酸素酸アニオンであるとされている。しかし極微量ながらそれ以外の分子種の存在が指摘されており、このことを確かめるため、より簡便で正確な定量法(ニトロベンゼン抽出-ICP発光分析法)の確立を行った。このとき試料を硫硝酸により加熱処理した場合と、しない場合との分析値の間に分析誤差を越えた差が生じる。この原因としては海水中に存在する過酸化水素による過モリブデン酸の生成が考えられた。この過モリブデン酸の鉛直分布は有光層下限までて消滅し、過酸化水素の存在領域に一致することが明らかとなり、モリブデンは微生物との直接的な影響以外、生物等を起源とする有機化合物の光分解の過程で生成する物質にも影響されることがわかった。 3.その他 カドミウム、希土類元素の原子スペクトル分析法およびリン酸態リンのICP発光分析法の確立も行なった。
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