研究課題/領域番号 |
63611003
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
増田 彰正 東京大学, 理学部, 教授 (40030788)
|
研究分担者 |
古在 由秀 国立天文台, 台長 (70012789)
岡野 純 大阪大学, 教養部, 教授 (10028087)
久城 育夫 東京大学, 理学部, 教授 (80011526)
中村 昇 神戸大学, 理学部, 助教授 (90030791)
小島 秀康 国立極地研究所, 資料系, 助手 (10113896)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
1988年度: 13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
|
キーワード | 原始太陽系 / マイクロ波分光 / 小惑星の分類 / 同位体異常 / 蒸発・凝縮実験 / コンドルール中の微量元素存在度 / 南極産炭素質隕石 / ダイヤモンドの成因 |
研究概要 |
各種の惑星物質について化学的、年代学的、物理学的、及び岩石学的研究を室内実験を含めて行い、太陽系形成時の物理化学的諸条件や原始太陽系を構成した物質の起源、形成年代について明らかにすることを目標とする。また、星間分子の分光学的観測による、物質の進化に関する研究も行っている。本年度の主たる成果は次の通りである。 (1)おうし座の暗黒星雲TMC1における、CH_3N分子のマイクロ波輝線スペクトルより、この分子中の^<13>C/^<12>C同位体比は、星雲の北西部で太陽系のそれとほぼ等しく、南東に近づくほど^<13>Cにより富む傾向が観測された。(2)独自の方法により小惑星をその軌道をもとに族に分類し、さらに族ごとの光度分布を求めた。そしてこれが族に属さない小惑星と全く違った分布をすることが判明した。(3)S、O等の同位体比測定を目的として二次イオン質量分析計に新たにCsイオン源を取り付けた。また、Allende隕石中のMg同位体比測定を行った結果、コンドルールの溶融温度と^<24>Mgの過剰度に相関があることが分かった。(4)化学組成の異なる斜長石の蒸発実験及び部分蒸発実験により、非化学量論的な不一致溶融が起こることが判明した。(5)Allende隕石及び2つの普通コンドライト中のコンドルール及びリムについて微量元素及び主成分元素の分析を行った結果、原始太陽系星雲中での惑星物質の形成過程がより詳細に判明した。(6)南極産CM隕石について岩石学的研究を進めた結果、母天体集積に至るまでの破砕過程や変質過程等の、初期形成史が明らかにされた。(7)K-Ar法により60億年の見かけの年代が得られた、ザイール産ダイヤモンドについて希土類元素存在度の精密測定及びSr同位体比測定の結果より、ダイヤモンドとキンバライトの密接な成因関係が明らかになった。また、その形成年代は古くても5億年より遡るものではないことが判明した。
|