研究課題/領域番号 |
63611501
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
香内 晃 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (60161866)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | アモルファス氷 / 星間塵 / 蒸気圧 / 彗星の起源 |
研究概要 |
星間雲から原始太陽系星雲への進化の過程で、氷グレインの凝縮・蒸発がくり返しおこっている。従来はこの過程の解析に平衡凝縮理論を用いついたが、最近速度論的効果の重要性が理論的に示された。しかし実験的研究はほとんど行われていない。そこで本研究では、速度論的研究の基礎データとなるH_2O、CO_2、CH_4、CO、N_2の氷の平衡蒸気圧の測定、H_2O-CO、H_2O-N_2の氷の蒸発過程の2つを明らかにすることによって彗星や星間氷マントル塵の起源を明らかにすることを目的とした。 H_2O、CO_2、CH_4、CO、N_2の蒸気圧をKouchi(1987)の方法で測定した。CH_4以外は低温(10K)ではアモルファス相が凝縮する。いずれもアモルファスの蒸気圧が結晶より大きいことがわかった。H_2O、CO_2、CO、N_2の順に結晶とアモルファスとの蒸気圧の差が小さくなる。さらにH_2Oでは10〜90K、90〜135K、135〜145Kで3つの異なる構造のアモルファス相が存在することが見い出された。 H_2O-CO、H_2O-N_2の蒸発過程を質量分析法、電子線回折法で詳細に調べた。10KではアモルファスのH_2O-COが凝縮する。温度上昇に伴い、アモルファスCOが23Kで結晶化する。この温度でのCOの蒸発はCOの蒸気圧に支配される。さらに30K以上ではアモルファスH_2Oの表面に吸着していたCOが蒸発する。最後までH_2O中に不純物として残っていたCOはH_2Oがアモルファス→結晶へ転移する145Kですべて蒸発してしまう。この3回に蒸発するCO量は凝縮時のCO/H_2O=0.2の場合、0.09、0.09、0.02となり、星間塵のCO量の測定から星雲の温度の推定が可能となる。さらに新彗星のCO/H_2Oを測定できれば、彗星の形成領域がわかる。
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