研究課題/領域番号 |
63612508
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
阿部 康次 信州大学, 繊維学部, 助教授 (00126658)
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研究分担者 |
伊藤 恵啓 信州大学, 繊維学部, 助手 (70151553)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 高分子錯体 / 高分子電解質 / ポテンシャル場 / 酸化還元 / 高分子効果 / 疎水場 / ケイ光 |
研究概要 |
1.PECの疎水的ミクロドメインの定量、疎水性の異なるポリアニオンであるアクリル酸/アクリル酸エステルのランダム共重合体と主鎖荷電型強塩基性ポリカチオンからなるPECが形成するミクロドメインの疎水性を調べるために、疎水性プローブとして良く知られている蛍光色素(ANS)を用いて、検討した。アルキル基に枝分かれのあるポリアニオンでは著しい低波長シフトを示し、ポリソープ型とはなっていないためにアルキル基の近傍にANSが存在するためと考えられる。PECではいずれのポリアニオンを用いても、PH低下と共に低波長シフトが観測され、最終的には各成分ポリマーの疎水性よりも強くなる事が明らかとなった。また高PH側で生成されたPECがコンプレックスコアセルベートと呼ばれる液一液の相分離を起こすのに対し、低PH側ではコンパクトな液一固の相分離を起こすため低PH側でより強い疎水性を示す。また高PH側でアルキル鎖長依存性を調べると、鎖長の増大と共に単調に疎水性の増大が認められる。 2.PEC中での酸化還元反応、2段階の酸化還元反応を示すビオロゲン基を主鎖に含むポリカチオンを用い、前述したような疎水性の異なるポリアニオンと溶液中でPECを形成せしめた時の酸化還元挙動を検討した。イオン席当たりの混合組成比(r;[PAA]/[PHV])が0.5となると、各酸化還元ピークは極めてシャープになり、電流値も大きくなる。またこの時の酸化還元電位は溶液中のPHVとは異なっている。これは、PHVがPAAとPECを形成することにより水に対する溶解性が減少し、電極上に析出したためと思われる。しかし、r=1とすると、PECを形成しない場合と同様の挙動を示す。これは、水可溶性のPECが一部生成されるためと思われる。さらに、ポリアニオンの疎水性が増すと付着に基づくと思われるピークは消失し、PECの形成能、形態と酸化還元挙動に相関があることが明らかとなった。
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