研究課題/領域番号 |
63612515
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
松本 和子 早稲田大学, 理工学部化学科, 助教授 (60111457)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 白金ブルー / 多電子移動反応 / 水素発生 / 電極触媒 / 酸素還元 |
研究概要 |
アミドを配位子とする白金の混合原子価多核錯体である白金ブルーを合成し、まずその多核構造を単結晶X線構造解析により明らかにした。次に、その特異的多電子移動反応を電気化学的測定法(サイクリック・ボルタンメトリー、回転リングディスク法等)により明らかにした。 次に、これらの基礎的研究に基づいて、これらの錯体の多電子移動反応の応用として、 (1)ルテニウムのビピリジン錯体を光触媒、メチルビオロゲンを電子伝達剤とし、白金ブルーを水素発生用触媒とする、水の可視光照射水素発生反応の研究 (2)白金ブルーの分子状酸素との反応性と、多電子移動反応を応用した、O_2還元電極触媒機能の研究 を行った。 (1)の反応系において、白金ブルーは金属錯体としては既報の錯体に比べて優れた水素発生能を示すが、白金コロイドとはほぼ同等であり、それ以上のものは見出されなかった。(2)の反応系では、白金ブルーの一段階四電子反応が有効に生かされ、O_2のH_2Oへの電解還元が、酸性水溶液中で0.4V(vs.SCE)付近という、比較的高電位で起こった。 以上のように、白金ブルーは多電子酸化還元試剤としてO_2やH_2Oの酸化還元反応に極めて有用な金属錯体であることが確かめられた。
|