従来パソコンレベルでは、BASIC言語で流体計算途中に割込んでグラフィック表示は可能であった。ここではFORTRANを使いリアルタイムのグラフ化を行ない流体計算プログラムはそのまま上位機種に移行できるように開発を進め円柱や翼型についてのパネル法の適用によりリアルタイム表示が実現できた。 大規模計算に対処してたとえ三次元グラフでもディスプレイ上に表示させながら計算を継続するという課題に対し大型計算機でもBASIC言語のパソコンと同様な事をここでの目的とした。大型電子計算機でのビジュアリゼーションについては既出の所でのような計算途中の解分布をディスクなど巨大なメモリー機器に蓄え計算後にグラフィック化する方法はとらず、計算途中で並行して図形出力やグラフィック化を行なう手法をとり、ベンチュリ管のナビエストークス式の差分解の並行表示例を数値流体力学シンポなどで発表した。 ミニコンレベルなどでは二次元ナビエストークスの式がMAC法で解かれ計算終了を待って自由表面問題の解がパソコン端末でグラフィック表示された。 このような例題について上述の開発方法に適した、いわゆるグラフィックコンピュータが昭和63年11月に西川の所属研究室に納入された。これは数メガフロップスのCPUと三次元グラフィック機能を有するもので、流体計算を行ないながらの描画に大きく寄与すると思われる。 ライン緩和法については数年来、筆者らが開発し使用して来た二次元プログラムをAF(APPROZIMATE FACTORIZATION)的にある座標方向には因子分解する型のスキームに発展させる作業に着手している。ビジュアリゼーションそれぞれにおいてどのような流体数値解法と格子数が適するかも確認作業を行ない近い将来発表する。
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