研究課題/領域番号 |
63614503
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
谷口 克 千葉大学, 医学部, 教授 (80110310)
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研究分担者 |
田川 雅敏 千葉大学, 医学部, 助手 (20171572)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
1988年度: 17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
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キーワード | ガン抗原 / メラノーマ / メラノーマ関連遺伝子 / DNA結合蛋白 |
研究概要 |
腫瘍抗原発現機構とその関連遺伝子発現を、腫瘍化との関連において検討。1.がん抗原の新しい概念の確立:(1)種属共通メラノーマ糖鎖抗原性の発現一種属共通メラノーマ抗原の一次構造を解析 正常GM3と全く同一であったが、正常GM3でも密度が10mol%以上になるとメラノーマ抗原性が出現することをモノクローナル抗体、キラーT細胞および抑制T細胞系を用いて証明した。これは一次構造が正常と同一でも立体構造上の変異でガン抗原性が出現する最初の事例となりがん抗原性獲得の新しい概念を確立した。(2)メラノーマ抗原発現機序の新知見-GM3密度を上昇させ、メラノーマ抗原性を発現させる機構として蛋白分子の存在が示唆された。その候補蛋白の解析精製を抗体を用いて行った。抗体M622/M562はキラーT細胞のエピトープを認識する。(a)この分子は80kdの糖蛋白で18kdの蛋白と非共有結合している。(b)80kdは分泌されているが分泌には18kd分子との結合が必要。(c)抗体で精製した物質は抗メラノーマ抑制T細胞を誘導できる。(d)100gのB16腫瘍から2DEにより120ug相当の精製蛋白を得、アミノ酸配列を行っている。2.メラノーマ関連遺伝子:Zn-binding finger構造をもつ新しいDNA結合蛋白-トランスフォーメーションに関与するゲノムDNAをクローン化したがその活性に一致した部位からDNAを単離構造を解析した。(a)cDNAは全長1.605bpで1.026bpのopen reading frameを持つ。(b)342アミノ酸からなる蛋白でN末端に2ケのZn-binding finger構造をもちC末端にはセリン-スレオニンに富み3ケ所のAキナーゼによるリン酸化部位をもつ。この分子に対するペプチドを化学合成し抗体を作成。ウエスタンブロット法で核分画に36kdの蛋白を検出、蛍光抗体法で核内に局在することを確認。またこの蛋白はDNAに結合し、0.5MNaClにより溶出されることを確認した。(d)検索したすべての腫瘍でこの分子の発現が陽性であったが正常組織ではほとんど陰性で、神経細胞とスペルマトゴニアのみ陽性であり、腫瘍化との関連が示唆された。
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