研究課題/領域番号 |
63614506
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西本 育夫 東京大学, 保健管理センター, 助手 (80180652)
|
研究分担者 |
尾形 悦郎 東京大学, 医学部第四内科, 教授 (70013761)
小島 至 東京大学, 医学部第四内科, 助手 (60143492)
松永 浩 東京大学, 医学部第四内科, 助手 (50165841)
原田 俊一 東京大学, 医学部第四内科, 医員 (70228641)
村山 芳武 東京大学, 医学部第四内科, 医員 (40219952)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1988年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
|
キーワード | IGF-II受容体 / G蛋白 / カルシウムチャネル / PDGF / EGF / 脱共役 / IGF-I受容体 |
研究概要 |
1.既に確立したIGF-IIシグナル伝達系の構成分子の同定。 (1)IGF-II受容体:抗受容体抗体・親和性リガンド架橋法等により、IGF-IIがIGF-II受容体を介してシグナルを惹起することを証明した。(2)40KダルトンG蛋白:百日咳毒素を用いた実験により、既に関与を示唆してきたが40Kダルトン蛋白を同定し、これがGi_2蛋白と相同であることを明らかにした。(3)カルシウムチャネル:電気生理学的検討により。IGF-IIにより制御される受容体作動性カルシウムチャネルであることを証明した。 2.IGF-IIシグナル伝達系を高位に制御する管理機構の確立。 IGF-IIシグナルは、静止期細胞では、カルシウム流入にもDNA合成にも関連せず、両者の惹起にはPDGFとEGFの処理が必要である。本年度は、このPDGF/EGF作用の標的が、IGF-II受容体とG_1蛋白との共役機構にあることを明らかにした。即ち、静止期細胞ではIGF-II受容体とGi蛋白との間に脱共役が認められ、シグナルはカルシウムチャネル開口に連関しないが、PDGF/EGF処理細胞では受容体/Gi蛋白間の共役が成立する様になる。しかも、癌原遺伝子産物ラス蛋白の活性化が、Go期細胞にみられる受容体Gi蛋白間脱共役を解除し、IGF-IIシグナルを受容可能状態に導くことが判明した。今後これらの作用の分子機構を解明した。 3.IGF-Iシグナルの解明:我々は新らたに、IGF-Iが緩除な時間経過で惹起されるカルシウム流入及びIGF-IIと同一のカルシウムチャネルの活性化を惹起し、これらとDNA合成との間には1対1の量的相関が成立することを証明した。このシグナルはIGF-I受容体を介することも明らかとなり、今後受容体キナーゼ活性の意義を解明したい。
|