研究課題/領域番号 |
63615504
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宇野 功 東京大学, 応用微生物研究所, 助教授 (60114401)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1988年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 細胞複製 / G1期停止 / 細胞周期 / cyclic AMP / イノシトールりん脂質 |
研究概要 |
酵母細胞の細胞複製の制御機構を分子遺伝学的に解析を行った。特に細胞複製におけるcyclic AMPおよびイノシトールりん脂質カスケードによる制御について解析を行なった。これまでにcyclic AMPは酵母増殖に必須で細胞周期のG1期からS期へ移行に必須であることを見いだしてきた。さらに酵母細胞においてもgclic AMPは細胞内でcyclic AMP依存性プロティンキナーゼの制御サブユニットに結合し、この酵素を活性化することを明らかにしてきたが、この細胞内局在性についてあきらかではなかった。そこでcyclic AMP遺伝性プロティンキナーゼも精製し、これに対する抗体をウサギから調整することに成功した。まずこの抗体がこの酵素に特異的に反応することを、Western blotting法を用いて明らかにした。さらに制御サブユニットの構造遺伝子を破壞した様では反応する蛋白質が存在しなかったことからも特異的な抗体であることがわかった。この抗体を用いて間接蛍光抗体法により細胞内局在性を調べたところ、核が強く染色され、細胞質・膜も弱く染色された。さらに生化学的解析からも同様の結果がえられた。これらの結果からcyclic AMP依存性プロティンキナーゼの大部分は核に存在することから基質は転写調節と密接な関係があることを示唆している。さらに細胞膜にも存在することが他のカスケードとの相互作用が推測された。一方イノシトールりん脂質カスケードが細胞膜に存在することを明らかにした。これらの証拠からgclic AMPとイノシトールりん脂質カスケード間の相互作用について検討したところ、gclic AMPカスケードはイノシトールりん脂質カスケードを正に制御していることがわかった。以上の結果から細胞増殖の開始にはgclic AMPおよびイノシトールりん脂質カスケードが関与してるいことが明らかとなった。
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