研究課題/領域番号 |
63615507
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大隅 良典 東京大学, 教養学部, 助教授 (30114416)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1988年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | 酵母 / 性フェロモン / シグナル伝達 / Ca┣D12┣D1+┫D1イオン / 膜小胞 / 細胞表層 |
研究概要 |
酵母の性フェロモン、αファクターは、半数体酵母の接合過程に必須の役割を持っている。近年αファクターのリセプターが同定され、クローニング、塩基配列の決定もなされた。さらにαファクターの作用に必須な数多くの遺伝子が明らかにされ、情報伝達系を構成するGTP結合タンパク質も同定された。この系はシグナル伝達系のモデルとして現在多くの注目を集めている。αファクターの作用はその初期過程としての種々の遺伝子発現系のみならず、後期の過程として細胞表層の成長様式の変化-局所的成長による突起形成を誘導する。この系は細胞表層の成長の制御機構、とりわけ細胞表層の成長に担かる膜小胞の動態を解析する上で有力な系となっている。本研究はαファクターによる形態変化と分子レベルで明らかにすることを目的としている。本年度の研究の概要は以下の通りである。第一にαファクターによる先端成長の誘導過程を瞬間凍結法による電顕観察を行い、連続切片の三次元構築により細胞内膜系の変化を解析した。その結果平均直径70um程度の膜小胞が誘導され、Ca┣D12┣D1+┫D1の細胞内流入の時期に突起形成部位に集中することが明らかになった。第二に誘導されて来る膜小胞の単離を試み、exo-グルカナーゼ活性がよい指標となることが明らかとなった。第三に高いαファクター濃度を感知し形態変化を誘導し得る細胞の状態を解析し後期のシグナル伝達を明らかにする目的で、バイパス経路を形成すると考えられるcdc36、cdc39株の解析を行い、両株とも非制限温度下で培養を続けると2時間後にCa┣D12┣D1+┫D1の細胞内流入が起こりそれに対応して形態変化を起こすこと、さらに非制限温度処理により、αファクターによりCa┣D12┣D1+┫D1の流入のlog timeが消失することが明らかとなった。αファクター処理、cdc株の解析により。αファクター作用の後期シグナル伝達に関与する分子の解明を目指して解析を進めている。
|