研究課題/領域番号 |
63615521
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
菊池 淑子 東邦大学, 医学部, 講師 (00138124)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1988年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 酵母 / 細胞周期 / 高温変異株 / 遺伝子解析 / GTP結合蛋白 / オムニポテントサプレッサー / ポリペプチド鎖延長因子 / GSTI遺伝子 |
研究概要 |
ミニ染色体のコピー数調節機構を利用して単離された酵母温度感受性変異株のうち、GI期よりS期への移行がブロックされたと考えられるgst1変異株について、詳細な解析を進めた。gst1変異株は、制限温度下で培養すると、蛋白合成に比べ、DNA合成が著しく抑制され、大きな芽を出して増殖を停止する。ts性を相補するDNA断片をクローン化し、その一次構造を調べたところ、アミノ酸685個からなる蛋白をコードしていた。3つのドメイン構造を持ち、C末端を含むドメインIIIはポリペプチド鎖延長因子EFIαとのホモロジーが高く、GTPを結合すると予想された。種々の欠失変異を持つプラスミドDNAを、homologous recombinationにより染色体に組み込ませ、tsの相補テストを行った結果、ts変異部位は、N末端に隣接した領域にマップされた。GSTI蛋白のC末端領域DNAをT7コート蛋白のプロモーター下につなぎ、分子量2万の蛋白を大腸菌で量産させ、精製後、ウサギに免疫して抗体を得た。この抗体を用いて、酵母粗抽出液のウエスタンブロッティングを行い、87Kに強いバンドを検出した。これより分子量の小さい蛋白質は検出されなかったことから、ドメインI、IIがプロセスされて、EFIの類似のドメインIIIだけになることはないと言える。この抗GSTI抗体は、EFIαとクロス反応せず、同様に、抗体EFIα抗体では、GST1蛋白を検出できなかった。又、単離されたDNAは、オムニポテントサプレッサーsup36を相補したことから、同一遺伝子であることが示唆された。フレームシフトサプレッサーSUF12、アロサプレッサーSAL3も、遺伝子のマップ位置、DNA塩基配列から判断して、同一遺伝子であると考えられる。今後は、抗GSTI抗体を用いて、蛋白のリン酸化の有無、複合体の検索、細胞内局在性、細胞周期との関連について調べる。又、ドメインIIだけを持つ蛋白の生化学的性質を調べる実験が進行中である。
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