研究課題/領域番号 |
63616508
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
池内 俊彦 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (20093362)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 胞子形成 / 細胞分化 / 枯草菌 / 遺伝子発現 / 遺伝子工学 |
研究概要 |
既に、枯草菌の胞子形成開始遺伝子spoOAをクローン化し、全塩基配列を決定したが、本研究では、spoOA遺伝子産物(spoOA蛋白質)の機能を詳細に解析すると共に、その機能を利用した物質生産への応用の技術を開発することを目的とする。さらにspoOA蛋白質の立体構造を解析し、機能ドメインの構造を明らかにすると共にspoOA蛋白質を改変し、利用することをも目指している。spoOA蛋白質は、267アミノ酸残基からなる、分子量約30Kの蛋白質であり、アミノ酸配列の相同性から、正の転写調節因子である可能性が強い。spoOA蛋白質を精製し、その構造と機能を詳細に解析する目的で、大腸菌内での多量生産系を作製した。spoOA遺伝子の蛋白質指定領域をプラスミド上のPtacプロモーターの下流に挿入し、大腸菌内で誘導発現させたところ、spoOA蛋白質は、全蛋白質量の15%に達した。spoOA蛋白質を、ホスホセルロース・DNAセルロース・セファアクリルの各カラムクロマトグラフィーを行なって精製した。精製されたspoOA蛋白質のN末端アミノ酸配列を決定したところ、N末端のメチオニンがホルミル化されていた他は、枯草菌由来のものと同一であった。したがって、大腸菌由来のspoOA蛋白質を使って、その構造と機能を解析することができる。まず、機能を調べたところ、DNA結合活性を持っていた。次に、spoOA蛋白質の結晶化の目的で、誘導発現大腸菌の大量(100l)培養法を確立し、150gの菌体から上記精製法によって、150mgのspoOA蛋白質を精製した。種々の結晶化条件を検討し、約0.5mmの大きさの結晶が得られた。しかし、X線解析を行ったところ、解析できない結晶であることがわかった。今後は、より新しいspoOA蛋白質標品を使って、解析に適した結晶を得る試みを行う。さらに、変異型spoOA蛋白質のX線結晶解析も行い、機能をもたらす立体構造を明らかにして行きたい。
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