研究課題/領域番号 |
63620502
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
水本 清久 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (80092344)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | RNAポリメラーゼII / 転写開始複合体 / mRNAキャッピング酵素 / ATP加水分解 / キャッピング酵素遺伝子 |
研究概要 |
RNAポリメラーゼII(polII)による転写反応において、「RNA5'末端のキャツピング」と「ATP水解の要求性」の2点は他のRNAポリメラーゼ種と異なる大きな特徴であり、いいれも転写開始反応と密接に関連している。本研究ではこれらの特徴に着目し、polIIによる転写の初期反応を解析すると共に、キャッピング酵素の構造と機能について検討し、以下の結果を得た。(1)転写開始複合体形成とキャッピング酵素-Ad2後期主要プロモーターおよびAd12pIXプロモーターをモデル鋳型とし、HeLa細胞抽出液を用いたin vitro転写系統を利用しpolII転写開始複合体形成反応を解析した。グリセロール密度勾配遠心により50-60Sの開始複合体を分離し、この複合体中にキヤップ構造の形成に関する酵素系のうち、いわゆるキャッピング酵素(RNA5'-トリホスファターゼ活性+RNAグアニル酸転移酵素活性)ならびにmRNA(グアニン-7-)メチル基転移酵素が特異的に組み込まれていることを明らかにした。しかも、複合体中のこれらキャッピング関連酵素は、転写と共役した時にのみ機能し、キャップ形成をなし得ることが判明した。(2)ATP水解の要求性-上記転写開始複合体の形成にはATP(あるいは3'dATP、2'dATP)のβ-γ位ピロリン酸結合の水解が必要であり、AMPPNPは不活性であった。ATP非存在下にも約50Sの前開始複合体が形成されるが、活性ある開始複合体に転換されるためには、開始因子の一部とATP水解が必要であった。(3)キャッピング酵素遺伝子の構造と機能-λgt11をベクターとする酵母染色体遺伝子ライブラリーより、酵母キャッピング酵素(グアニル酸転移酵素サブユニット)遺伝子を単離した。遺伝子破壞の実験から、この遺伝子は酵母の生育に必須であることが判明した。さらに、種々の欠失変異体を作成し、キャッピング酵母の機能ドメインの解析を開始した。
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