研究課題/領域番号 |
63620517
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
林 健志 国立がんセンター研究所, 腫瘍遺伝子研究部, 室長 (00019671)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | c-myc / 転写制御 / 再生肝 / 無細胞転写系 / プロモーター / Gフリーカセット |
研究概要 |
1.実験条件の検討:ラット正常および再生肝から核抽出液を調整した。また、テンプレートとして、ラットc-mycの主要なプロモーターであるP2から上流2kbを含み、かつ転写開始点下流にはGを持たない配列(Gフリーカセット)を合成して挿入したプラスミドを用いた。GTPを含まない反応液中で転写を行わせると、開始点から最初のGまでの長さのRNAが忠実な転写産物として観察される。c-mycプロモーターからの転写効率を種々の条件で検討した結果、テンプレート濃度が低い場合には、無関係なDNAを加えることにより、転写活性が上昇することが観察された。また、一定量以上のDNAは転写を阻害する。そこで以下の実験では至適DNA濃度で反応を行なった。アデノウィルスMLプロモーター、アルブミンプロモーターをそれぞれGFCにつないだプラスミドを作成し、これらと、c-mycプロモーターとの相対的転写活性を検討した。c-mycプロモーターはAdNLの約10分の1、アルブミンプロモーターより数倍強いことが判明した。肝臓中で、c-mycの転写がアルブミン遺伝子の転写より多いとは考えられないから、この反応系ではc-mycの転写抑制機構が失われているものと考えられる。 2.c-myc上流の転写への影響:c-mycプロモーター上流を欠失させた種々のテンプレートの転写活性を検討した結果、P2のTATA配列上流、約60塩基のあたりに転写促進領域が存在することが示唆された。 3.考察と展望:本実験で用いた無細胞転写系では、正常肝、再生肝でのc-myc転写活性に有意の差はみとめられなかったので、核抽出液の調整法を再検討する必要がある。また、上記転写促進領域に結合する因子を同定、精製することを試みる。
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