研究課題/領域番号 |
63623005
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
楢林 博太郎 順天堂大学, 医学部, 名誉教授 (40052922)
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研究分担者 |
鬼頭 昭三 広島大学, 医学部, 教授 (00010140)
田中 千賀子 神戸大学, 医学部, 教授 (20025571)
柳沢 信夫 信州大学, 医学部, 教授 (00010025)
大江 千廣 群馬大学, 医学部, 教授 (40010227)
水野 美邦 順天堂大学, 医学部, 教授 (30049043)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
17,500千円 (直接経費: 17,500千円)
1988年度: 17,500千円 (直接経費: 17,500千円)
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キーワード | MPTP / ミトコンドリア呼吸酵素 / FDG脳代謝 / ノルアドレナリン / 情報処理過程 |
研究概要 |
パーキンソン病(PD)のモデルとしては、MPTP投与動物がもっとも適しているが、MPTPがMPP^+として細胞毒性を発揮する機構にそのミトコンドリアの傷害が重要であると考えられる。ミトコンドリア呼吸酵素が剖検脳において死後変化をきたす可能性を検討し、死後変化の因子が予想以上に重大であることが明らかにされた(水野)。MPTPによる黒質障害を考える場合に、黒質細胞体への直接の障害と共に、黒質細胞より線条体への投射の末端における障害もまた重要であることが変性実験において昨年度報告されたが、さらにチロシン水酸化酵素(TH)活性の低下と免疫組織化学的にもその低下のあることが明らかにされた(楢林)。 また、ヒトのPD症例においてPETによるFDGを用いて脳代謝の分析を行ったが、振戦症例においては対側視床の代謝が亢進し、固縮を主とする症例では被殼、淡蒼球で代謝亢進がみられ、大脳皮質では低下がみられた。定位視床手術中に記録された上記の構造における電気活動の変化との相関が存在することが明らかにされた(大江)。鬼頭らはサルにおける亜急性のMPTPパーキンソニズムで、青斑核が病理学的にも軽い変性を示すと共に、大脳皮質でのノルアドレナリン受容体に異常が認められることをサブタイプ別に明らかにした。柳沢は、PD症例および同年令の正常者について各種の心理テストを行って課題の選択、反応を分析し、視覚情報より行動決定までの脳内情報処理に障害のあることを明らかにした。PDの発症に対して老化過程のもつ意味は大きいと考えられるが、田中は^3H-inositol1,4,5-trisphosphate(^3HーIP_3)結合能をPD症例脳について計測した。老化と共に低下するとされる結合能がPD脳においても大脳基底核を中心に低下していることが分析された。 以上、大脳基底核における薬理学的研究と共に、老化との関連の分析、研究が行われた。
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