研究課題/領域番号 |
63623006
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
杉田 秀夫 国立精神・神経センター, 神経研究所, 所長 (80009951)
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研究分担者 |
宮武 正 新潟大学, 脳研究所神経内科, 教授 (50048998)
鈴木 紘一 東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報, 部長 (80011948)
佐藤 猛 順天堂大学, 医学部脳神経内科, 助教授 (40018594)
勝木 元也 東海大学, 医学部DNA生物学教室, 教授 (20051732)
小幡 邦彦 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所神経化学部門, 教授 (60013976)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
20,000千円 (直接経費: 20,000千円)
1988年度: 20,000千円 (直接経費: 20,000千円)
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キーワード | drebrin / プロテインキナーゼC / ミエリン塩基性蛋白質 / フォスホフルクトキナーゼ / ミトコンドリア脳筋症 / ジストロフィン |
研究概要 |
本研究班の目的は運動系に関与する細胞群の機能を物質レベルでとらえ、その遺伝子をクローニング運動系にかかわる各種の遺伝性疾患を遺伝子の差異、或いは欠失としてその病態を明らかにすることにある。以下研究概要を述べる。運動系に関与する小脳特異的蛋白drebrinにはalternative splicingにより胚初期にE_1、中期にE_2が発現する事が確認された。細胞間の情報伝達に重要な役割を果しているプロテインキナーゼ(PKC)の関連蛋白質のクローニングを行い、nPKCファミリーに3種類ある事が明らかになった。そのうちnPKCεの完全構造を決定すると共に新しい情報伝達系の存在が示唆された。特定遺伝子の機能を選択的に抑制する事により、特定遺伝子の生物機能上の役割を知る事が出来る。ミエリン塩基性蛋白質(MBP)のcDNAをアンチセンス方向に発現するベクターを作製しマウス受精卵に注入しトランスジェニックマウスを作製した。このマウスにはMBP遺伝子欠失突然変異ジバラーと同様の行動異常が認められた。MBPの内在性がmRNAは20%以下に低下し、小脳におけるミエリン形成が不全となり行動異常が発症したと考えられる。ミトコンドリア脳筋症の病態を明らかにする目的でCu,Fe欠乏による酵素欠乏モデル動物を用い酵素蛋白の生成障害を検索する免疫ブロッティング、全コロイド標識免疫電顕、in situ hy Bridizationの方法を開発した。筋解糖系律速酵素フォスホフルクトキナーゼのcDNAをクローニングし、蛋白質一次構造を決定し、更に同遺伝子の一部のエクソン・イントロンの構造を明らかにした。シアリダーゼ欠損症の分子レベルのメカニズムを明らかにする為に胎盤よりシアリダーゼを精製し、5つの蛋白質からなる事を明らかにし、その内46KDの蛋白をコードする全cDNAをクローニングした。デュシャンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の遺伝子産物ジストロフィンはDMDで完全に消失し、ベッカー型では僅かにpatchyに発現する事がわかった。DMDの保因者ではモザイク状に存在しその他の全ての神経・筋疾患では正常と同じ程度に発現していた。発生的にはヒト胎児17週では約1/3の筋繊維にジストロフィンが認められ、35週では99%で認められた。
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