研究課題/領域番号 |
63623501
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
栗原 堅三 北海道大学, 薬学部, 教授 (00016114)
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研究分担者 |
柏柳 誠 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (20169436)
松岡 一郎 北海道大学, 薬学部, 助手 (40157269)
吉井 清哲 北海道大学, 薬学部, 助手 (30125364)
三宅 教尚 北海道大学, 薬学部, 助教授 (30133771)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 神経栄養分化因子 / C6細胞 / 蛋白質リン酸化 / コリン作動性分化 / レチノイン酸 / PC12細胞 / ボツリヌス毒素 / ラット胎児脳細胞 |
研究概要 |
ラットグリア細胞腫の株化細胞C6の培養液中には、神経栄養分化因子が分泌される。まずC6に各種の薬物を作用させ、神経栄養分化因子が効率よく分泌される条件を検討した。この結果、C6をβエストラジオール、プロゲステロン、ビタミンD┣_<3┫>で刺激した場合には神経栄養分化因子の分泌が顕著に増大した。つぎに、神経栄養分化因子を含む培養液をPC12細胞に作用させ、神経様に分化する機構を検討した。この因子を作用させると、細胞内のカルシウム濃度の持続的増加がみられた。またこの因子を作用させたときの蛋白質リン酸化を調べたところ、27K蛋白質が選択的にリン酸化することがわかった。C6由来の因子は、PC12細胞のアセチルコリトランスフェラーゼを増大させ、コリン作動性の分化を誘導した。同様な作用は、PC12細胞にレチノイン酸を作用させたときにもみられた。レチノイン酸を作用させたときにも、PC12細胞内のカルシウム濃度の持続的増加および27K蛋白質のリン酸化がみられた。これに対し、NGFはPC12細胞に対し突起伸長作用を有するが、コリン作動性分化を誘導しない。またNGFは細胞内カルシウムの持続的増加や27K蛋白質のリン酸化も引き起こさない。したがって、PC12細胞のコリン作動性分化には、カルシウム濃度の増加と27K蛋白質のリン酸化が関与していると結論した。 C6由来の培養液の神経栄養分化因子を、ラットの胎児脳細胞に与えると、神経の生存維持、コリン作動性分化が観測される。神経分化に伴い、トランスミッター放出機能が発達する。この細胞にボツリヌス毒素を作用させたところ、24および26K蛋白質のADPリボシル化がみられた。各種の細胞を用いて同様の実験を行ったところ、26K蛋白質のADPリボシル化は神経系細胞に共通にみられることがわかった。現在この26K蛋白質の生理的役割について検討している。
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