研究課題/領域番号 |
63623502
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
西野 仁雄 名古屋市立大学, 医学部第二生理, 教授 (60073730)
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研究分担者 |
端谷 毅 名古屋市立大学, 医学部第二生理, 助手 (30172852)
磯部 芳明 名古屋市立大学, 医学部第二生理, 助手 (70094357)
古山 富士弥 名古屋市立大学, 医学部第二生理, 助手 (00080101)
佐藤 春彦 名古屋市立大学, 医学部第二生理, 助教授 (20080004)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | クロマフィン細胞 / ドーパミン細胞 / ノルアドレナリン細胞 / 移植 / 尾状核 / 可塑性 / 表現型 / ラット |
研究概要 |
黒質のドーパミン(DA)細胞を破壊して作製したパーキソン病モデルラットに、胎仔あるいは新生仔ラットよりえたDA細胞、クロマフィン細胞およびノルアドレナリン細胞を移植し、運動障害の改善、DAおよびその代謝産物(DOPAC,HVA)の増量および移植細胞の生着と分化を明らかにした。 1.DA細胞の移植では、90%以上の動物で運動障害が改善し、microdialysis法でしらべるとDAはほぼ正常レベルに、DOPAC,HVAは数10%レベルに回復した。また多数のチロシン水酸化酵素(TH)陽性細胞が生着し、宿主細胞とシナプス連絡を形成した。 2.クロマフィン細胞の移植では、0〜30%の動物で運動障害が改善した。神経成長因子、インターロイキン-6、ガングリオシドの局所あるいは全身投与によっても障害は改善されなかった。したがって移植細胞をとりまくmicroenvironmentの活性化(アストログリアの活性化、内在性栄養因子の増量など)を計る操作を加えないとクロマフィン細胞の移植による機能回復は困難であることが明らかになった。 3.青斑核よりえたノルアドレナリン細胞の移植では20〜40%の動物で運動障害が改善された。黒質DA細胞破壊2〜3週間の移植では40%、10〜15週間後の移植では20%の動物で障害の回復が起こることより、黒質DA細胞の破壊後、ある種の栄養因子が尾状核内に出現し、時間的な消長を示すことが推察される。一方、生着細胞はTH陽性であるが、ドーパンβ水酸化酵素(DBH)陰性であること、またmicrodialysisでDA,DOPAC,HVAの増量が認められることより、移植されたノルアドレナリン細胞の一部はDA細胞に分化することが明らかになった。 以上の結果より、幼若な神経細胞は移植後周りの環境の影響をうけて、表現型を変化することが明らかとなった。
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