研究課題/領域番号 |
63625014
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
今永 清二 広島大学, 文学部, 教授 (60033502)
|
研究分担者 |
矢守 一彦 大阪大学, 文学部, 教授 (00027955)
妹尾 達彦 北海道教育大学, 釧路分校, 助教授 (20163074)
私市 正年 上智大学, アジア文化研究所, 講師
片岡 一忠 筑波大学, 歴史・人類学系, 助教授 (50092515)
鵜川 馨 立教大学, 経済学部, 教授 (70062544)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1988年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
|
キーワード | イスラム都市 / 都市性 / ムスリム居住区 / イスラム文化人 / 都市法 / 西安 / 西安府図 / インドネシア |
研究概要 |
本研究は西アジア・イスラム圏の都市、他のアジア地域の都市、また非アジア地域の都市の史的発展を比較検討しつつ、都市の通時的発展を考察しようとするものである。また、イスラムの都市性及びイスラム都市の概念を明確にすることをも目的とした。以上の研究目的に即して、本年度、本班の研究者は、他班の研究会にも出席し、それぞれの専門領域において実証的、基礎的研究を行ってきた。同時に3回の研究会を開催し、「都市史の諸段階」を明らかにすることに努めた。 研究会の内容を個別に紹介すると、第1回研究会では「タイ北部の中国人ムスリム社会の形成」(今永)が報告され、東南アジアの非イスラム都市チェンマイにおける中国人ムスリム居住区が、19世紀末以後、中国の政治的混乱やムスリム商人の商業交易の発展の結果形成されたことが指摘された。第2回研究会では、「東南アジアのイスラム都市と文化人」(アリフィン・ベイ)が報告され、インドネシアのイスラムの発展を7期に分けて考察し、その展開にかかわったイスラム文化人の役割が明らかにされた。また、エリート研究が都市性解明の鍵であることも強調された。第3回研究会では、「清代西安府の都市構造」(妹尾)、「11〜13世紀のサンチャゴ巡礼路都市サアグーン」(関哲行)が報告された。前者は、19世紀末の測絵「西安府図」をもとに、西安の軍事的、政治的、経済的機能など都市性について報告し、またムスリム居住区についても紹介した。後者は、キリスト教修道院を中心に形成されたスペインのサアグーンの都市的発展を、都市法の成立やコンミューン運動などを中心に3期に分けて検討し、それとの対比において、イスラム都市を比較史的に考察する必要性を論じた。 以上の報告は何れもイスラムの都市性や都市化等の問題を中心に都市の発展を時系列的に捕えていく上での基礎的研究と評価しうるであろう。
|