研究課題/領域番号 |
63626505
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
小坂 健二 鹿児島大学, 医療技術短期大学部, 教授 (40090617)
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研究分担者 |
末吉 靖宏 鹿児島大学, 教養部, 助手 (30196688)
山中 寛 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (60182581)
丸山 敦夫 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (80117548)
深野 佳和 鹿児島大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (40189915)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | コミュニケーション障害 / 情報処理アプローチ / 注意・認知・動作 |
研究概要 |
当研究はコミュニケーション障害の多次元診断システム及びその治療・教育プログラムの開発を目的とした。そして、 1.神経生理学・心理学・運動学の立場からコミュニケーション過程及びその障害に関する研究をレヴューし、基本的・統合的視座を検索した。 2.その基本的視座にもとづいて、多次元診断システムに結びつくような実証的データを収集した。 具体的にまず1.については、コミュニケーション構造を情報処理的側面・対象関係(環境)的側面・一般発達的側面より総合的に把える必要性を示した。そして情報処理的側面を取り上げ、コミュニケーション過程の情報処理モデルとして、刺激受容→注意・覚醒→知覚・認知→知覚から運動反応への変換→運動プログラムのコントロール、のループを提案した。つまりコミュニケーションの過程を自己の知覚・認知系と動作・行為系の相互作用と見なし、その相互ダイナミックスからコミュニケーション過程とその障害について解明することの重要性を明らかにした。 2.については、コミュニケーション障害児の注意・認知・動作プロセスの関連性を調べた。眼球運動処理システム、コンピューター、筋電計、ビデオカメラ等を用い、左右弁別課題における被験児の眼球運動、反応時間、筋緊張、動作分析等を測定した。その結果、従来の障害分類で同一カテゴリーに入る子どもでも、その注意・認知・動作プロセスは質的にかなり異なること、健常児と比較してその個人差が著しく大きいこと、等が明らかとなった。そして1.の情報処理モデルに基づいてコミュニケーション障害を把えることの妥当性が当実験によって確証された。 課題の難易度、測定上の問題などいくつかの問題点は残されたけれども、コミュニケーション障害を多次元レベルで統合的に把えようとする当研究の方向性は重要であり、今後さらに検討を重ねていきたい。
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