研究課題/領域番号 |
63627006
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池上 詢 京都大学, 工学部, 助教授 (70025914)
|
研究分担者 |
佐野 妙子 東海大学, 工学部, 教授 (60013728)
定方 正毅 群馬大学, 工学部, 助教授 (30011175)
幸田 清一郎 東京大学, 工学部, 助教授 (10011107)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
1988年度: 11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
|
キーワード | 拡散火炎 / すす生成 / クラスター動力学 / 炭素質ラジカル / OHラジカル / すす再燃焼 / 着火機構 / 窒素酸化物 |
研究概要 |
拡散火炎では、火炎面近くで物質および熱移動と同時に化学反応が進行し、それらが複雑にからみながら発熱が進んでいる。本研究はその様な場での燃焼生成物の発生・消滅機構を速度論的立場から解明し、効率的な燃焼制御ならびに汚染物質の低減のための基礎学の構築を目指すもので、本年度は主に次の事項について研究を実施した。 1.クラスター動力学を考慮に入れた均一核生成理論を提案し、この理論によって、すす生成量が影響を受けなくなるクラスター階級が存在すること、すすの生成は低温では燃料の熱分解によって律速されるのに対し、高温ではクラスター成長の逆反応が増すため、その生成量は2,000K近くで極大となることなどを明らかにした。 2.炭素質ラジカル種の熱化学的性質や反応性を速度論的に解明することを目的として、炭素ロッドをレーザ照射することによって炭素質ラジカルを作成し、リフレクトロン飛行時間型質量分析計によって検出するシステムを試作した。これにより、光イオン化の手法を用いてC_3ラジカルが生成していることを示し、その安定性が高いことを明らかにした。 3.火炎中のすすの酸化機構を解明するために、放電プラズマにより一定の濃度のOHラジカルを発生させる新しい実験手法を用いて気相析出型すすの酸化速度を調べた。その結果、高周波2重円筒形無声放電反応装置により、すすを室温で75mg/Nm^3まで再燃焼でき、さらに共鳴吸収法により放電プラズマ内におけるOHラジカルを定量測定した。 4.高温壁面上を流れる可燃性気体の燃焼過程の数値モデルを作成し、着火の機構および火炎と伝播とともに生成・消滅するNO,NO_2の挙動を調べた。燃料はメタンとし、34成分の燃焼生成物、および107式の燃焼素反応を考慮した。計算結果より、火炎内に生成するPrompt NOは火炎前面でNO_2に酸化され、高温になると再びNOに還元されることを示した。
|