研究課題/領域番号 |
63628007
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
岩崎 準 理化学研究所, 結晶学研究室, 主任研究員 (20087399)
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研究分担者 |
伊藤 徹三 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (60087400)
小林 隆史 京都大学, 化学研究所, 教授 (50027059)
大胡 恵明 新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (10016115)
大橋 裕二 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (40016118)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
38,000千円 (直接経費: 38,000千円)
1988年度: 38,000千円 (直接経費: 38,000千円)
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キーワード | 分子性結晶 / 固相反応 / 結晶相反応 / X線 / 動的解析 / 迅速測定 / コバロキシム / 有機薄膜 |
研究概要 |
固相化学反応を原子レベルで定量的に解明するには、反応途中の各段階における結晶構造の変化を知ることがきわめて重要である。低分子結晶のための実験室系迅速X線強度測定システムの開発が今後のこの分野の発展にとって必須であるとの観点から、二次元検出器としてイメージングプレートを利用し、X線光源・集光系・情報転送方式を改善して、時間並びに空間分解能を上げた新しいX線カメラ系を開発製作しつつある。これは1時間以内で完全な単結晶X線回析データ測定を完了出来ることを目指しており、化学反応が数日ないし数時間程度で完結する結晶相変化について、時間分割構造解析を可能にすることを想定したものである。昭和63年度はその本体ハード部分の設計、製作を行った。 一方、光学活性コバロキシム錯体結晶のラセミ化については、反応基がシアノエチル基の場合、塩基を変えた錯体結晶を3種作り、その反応速度と反応空間の対応関係を検討した。また反応基をメトキシカルボニルエチル基とビス(アリロキシカルボニル)エチル基に変えた場合も、種々の軸配位子を配位した錯体が固体粉末状態で光照射によりラセミ化することを見いだし、その結晶の反応性を検討した。β-α光異性化反応については6種の塩基の異なる錯体結晶を調整し、分子間水素結合の役割を明らかにし、また3種の多形結晶について反応速度と反応空間の関係を検討した。また二、三の結晶性有機薄膜の反応過程を電子顕微鏡と高速電子線エネルギー分光法の併用により解明した。 次年度以降、これら固相反応の探索、解析を一層進展させると共に、迅速X線測定装置についてはその調整、ソフトウェア開発製作を行ってシステムを完成させ、本計画研究により探索が進んでいる種々の有機金属錯体等の結晶相反応に関する時間分割の動的構造解析を実際に行う予定である。
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