研究課題/領域番号 |
63629504
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松木 征史 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50037941)
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研究分担者 |
福田 行男 神戸大学, 教養部, 助教授 (40025482)
舞原 俊憲 京都大学, 理学部, 助教授 (90025445)
端 恒夫 京都大学, 理学部, 教授 (10025231)
今井 憲一 京都大学, 理学部, 助教授 (70025493)
政池 明 京都大学, 理学部, 教授 (40022587)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1988年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 暗黒物質 / アクシォン / マイクロ波検出 / リュドベルク原子 / 超伝導共振空洞 |
研究概要 |
暗黒物質を形成する素粒子の有力な候補として、いわゆる"見えない"axion(アクシォン)が示唆されている。このaxionを観測する方法として、強磁場中で光子に転換させ、その転換光子マイクロ波を高感度で検出することが考えられる。本研究では、単原子メーザー法;リュドベルク原子ビームレーザー分光により、従来にない超高感度でマイクロ波を検出する装置を開発しようとするものである。特に2、4GHz近傍のaxion転換マイクロ波を、液体ヘリウム温度に冷却した超伝導Nb空洞共振器の中で、リュドベルク状態に励起されたアルカリ原子ビームにより検出することを試みる。以上の目的を遂行するために、今年度の研究実施計画予定に従って超伝導Nb共振空洞、液体ヘリウム3用クライオスタット、原子ビーム発生源、及び電離イオン検出のためのフィールドイオン化装置を上記目的に合致するよう設計、製作した。クライオスタットは約20時間の連続使用が出来、液体ヘリウムG3により約0.5Kまで空洞の冷却が出来る。超伝導Nb共振空洞は矩形のTE_<101>型のもので、クライオスタット下部に、着脱容易で取り扱いやすいように配置されている。空洞はNbとCuのクラッド板を用い、プランジャー方式で共振周波数を大幅に変化させ、微細調整は挿入した絶縁棒を移動させて行う。Nbによる実際の空洞の製作に先き立ち、銅を用いた試験用空洞を使って、加工、機械的機能、特性の検討を行った。原子ビームは水平方向の入射とし、空洞通過後フィールドイオン化させて電子増倍管により検出される。装置の全系を組み上げて、全体の調整テストを行った。現在まだ予備運転の段階で、種々の特性が完全には期待通りに出ていないが、ほぼ目的を達成出来る状態に到達し得るものと考えている。今後、来年度購入予定で申請中のレーザー源の完成を待って光源系を整備し、リュドベルグ原子ビームによる実際の光子検出を行う。
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