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中性子散乱による準結晶の原子構造の観察

研究課題

研究課題/領域番号 63630502
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関東北大学

研究代表者

福永 俊晴  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60142072)

研究分担者 三沢 正勝  高エネルギー物理学研究所, 助教授 (80005941)
鈴木 謙爾  東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10005861)
研究期間 (年度) 1988
研究課題ステータス 完了 (1988年度)
配分額 *注記
600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワード準結晶 / 中性子回折 / 原子構造 / 部分構造因子
研究概要

Al-Mn合金中に5回対称を持つ20面体相が発見されて以来、準結晶の研究が活発に行なわれてきている。本研究では、準結晶の原子構造を中性子散乱の特徴を生かして観察し、原子構造に関する知見を得ることを目的とする。
本年度はまずAl_<80>V_<17>Si_3準結晶を雰囲気調整可能な液体急冷装置を用いて作製した。この準結晶が単相であることをX線回折で確認した後、中性子回折実験を行った。Al_<80>V_<17>Si_3の一成分であるV原子は、中性子に対する干渉性核散乱振幅がほとんど零であるので、中性子回折ではV原子は見えず、またSi原子は合金組成量がAl原子に比べて極端に少いので、散乱強度に対するSi原子の寄与は非常に小さくなる。故に、Al_<80>V_<17>Si_3準結晶の中性子回折実験を行うことにより、我々は、Al-Al原子対相関のみを直接観察することが出来た。準結晶中の部分相関を観察した例はこれまで無く、本研究により、世界で初めて準結晶の部分構造因子を導出することができた。このAl-Al部分構造因子をフーリエ変換することによって得られたAl-Al部分動径分布関数(RDF)の第1ピークの面積から、第1隣接の原子数は12.1個となり、これはまさに第1隣接原子配列が20面体からなっていることを示している。X線回折実験から得られた2体分布関数g(r)と中性子回折実験から得られたg(r)の差をとると、V-M相関(M=Al,VorSi)のみを導出することができた。このV-M相関を示すgV-M(r)とAl-Al相関のみを示すgAl-Al(r)の比較により、splitした第2ピークの相対強度がお互いに異なっていることが観察された。この結果は、準結晶中のAl原子が占める位置とV原子が占める位置が異なっていることを示唆している。

報告書

(1件)
  • 1988 実績報告書

URL: 

公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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