研究課題/領域番号 |
63631001
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石川 健三 北海道大学, 理学部, 助教授 (90159690)
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研究分担者 |
木村 信行 北海道工業大学, 教養部, 講師 (10204984)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 高温超伝導 / ゲージ理論 / Cherm-Simons項 / 正準量子化 / 古典解 / ローレンツ共変性 |
研究概要 |
高温超伝導と関連をもつと思われている時空3次元空間上でのゲージ理論の解析が進行中である。3次元では、表面項を除いてゲージ不変なベクトル場から成る作用であるCherm-Simons項がローレンツ変換に対して不変である。Cherm-Simons項は座標についての微分を一度だけ含むので、この種のゲージ理論は通常のゲージ理論とは性質を異にする。 本年度、Cherm-Simons項を持つU(1)ゲージ理論について、(1)正準形式に則り量子化を行い、散乱振幅、荷電粒子間の力等が摂動論の近似により求められ、(2)時空3、4次元でCherm-Simons項をもつゲージ理論の古典解が求められ、(3)明白に共変な形でユニタリー性と矛盾なく量子化が行なえることが示された。(1)では荷電粒子間にダイポール的な長距離力が働くことが示された。物質中ではローレンツ不変性は失われるので、Cherm-Simons項を4次元時空内に埋めこんだローレンツ不変性を持たない理論も役立つ可能性がある。Cherm-Simons項は電流と場との間に通常のMaxwell理論の場合とは異なる関係式を与える。そのため古典解の様子も異なり、有限な大きさの電流をもつ古典解があることが(2)で示された。Maxwell理論にCherm-Simons項を付け加えた理論では自由場が有限な質量をもつ波と、質量をもたない波との2つの成分をもちユニタリー性が自明でない。(3)では、それを明らかにするため明白に共変な方法で量子化し、それに基づき理論の構造をしらべた。零質量に対する波のモードの自由度は実際に観測にかかる自由度となっていないことがわかった。その他赤外発散とそのダイナミックスへの影響をしらべることの研究が進行中である
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