研究課題/領域番号 |
63631006
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鹿児島 誠一 東京大学, 教養学部, 教授 (30114432)
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研究分担者 |
池本 勲 東京都立大学, 理学部, 教授 (00011601)
小林 速男 東邦大学, 理学部, 教授 (60057635)
斉藤 軍治 東京大学, 物性研究所, 助教授 (40132724)
梶田 晃示 東邦大学, 理学部, 教授 (50011739)
高橋 利宏 学習院大学, 理学部, 助教授 (60163276)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
35,000千円 (直接経費: 35,000千円)
1988年度: 35,000千円 (直接経費: 35,000千円)
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キーワード | 有機超伝導体 / 分子性超伝導体 / 合成金属 / 結晶成長 / 磁気抵抗 / 核磁気共鳴 / X線回折 / 非対称ドナー分子 |
研究概要 |
本研究の目的は、新しい有機超伝導体の開発と、有機物質の超伝導の特徴の解明によって、超伝導発現機構の解明に迫ることである。本年度は以下の成果を得た。 1.輸送現象の研究 θ-(BEDT-TTF)_2I_3の低温磁気抵抗に新しい振動型の異常を発見した。この現象と有機分子の立体配向との関係について検討をすすめたた。 2.電子間相関と磁性の研究 一連の(DMET)_2Xについて電子スピン共鳴法によって常磁性相の磁気的な性質を比較した。 3.超伝導物性と結晶・分子構造の乱れ効果の研究 β-(BEDT-TTF)_2Xについては、XとしてI_3、IBr_2、I_2BrおよびAuI_2の混晶を調べ、超伝導の臨界温度は不純物の影響を非常に受けやすく、また残留抵抗がある磁界値以下にならないと超伝導を示さないことを明らかにした。さらに、XがI_3の塩について超格子の様子を調べ、110K付近で超格子構造が変化し、その結果2Kと8Kの臨界温度をもつ超伝導相が現れることを発見した。 4.10K超伝導体の作成と超伝導性の研究 K-(BEDT-TTF)_2Cu(NCS)_2の重水素置換を行ない、超伝導臨界温度が上昇するという逆同位体効果を発見した。また、超伝導相で見出された異常な核磁気緩和率の増大の機構を探り、「磁束格子の融解」モデルの可能性は小さいことを指摘した。 5.非対称ドナーをもつ超伝導体の作成とその性質の解明 一連のDMET塩の構造と物性の関係を調べた。また、EDT-TTFの一連の化合物を合成し、超伝導開発の可能性を探った。
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