研究課題/領域番号 |
63631007
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福山 秀敏 東京大学, 物性研究所, 教授 (10004441)
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研究分担者 |
今田 正俊 埼玉大学, 教養部 物理, 教授 (70143542)
前川 禎通 名古屋大学, 工学部 応用物理, 教授 (60005973)
斯波 弘行 東京大学, 物性研究所, 教授 (30028196)
立木 昌 東北大学金属材料研究所, 教授 (20028111)
長岡 洋介 名古屋大学, 理学部 物理, 教授 (60022539)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
1988年度: 12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
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キーワード | 銅酸化物 / 高温超伝導 / 光電子分光 / 電子型超伝導体 / 数値計算 / ハバードモデル / 量子スピン系 |
研究概要 |
本研究班の中心課題である銅酸化物に於ける高温超伝導の発現機構の解明に向けて、種々の問題について着実な進展があった。 まず、大局的に眺めた電子状態については、光電子分光実験の理論的解析を通して、この系を特徴付ける軌道状態及び基本的パラメーターについての知見が得られつつある。これを基に、基礎的モデルを提唱する試みが幾つかあるものの、いづれも万人が納得するものにはなっていない。この観点から1988年末我が国で発見され、世界中を揺るがしている電子型超伝導体の発見の意義は大変大きい。未だこの系の詳細については不明であるが、モデル構築上重要な役割を果たすものと考えられる。 このような研究に呼応して、特定のモデルに対する理論的研究が大いに進展した。主として、スピンの自由度を中核に据えたモデルに対する数値的な研究である。銅のスピンと、酸素上に供給されたキャリアの相互作用過程に関する有限系での厳密な数値計算により、反強磁性的相互作用が対形式に好都合であることを示唆するという重要な知見が得られた。このような数値的な結果の背景にある物理的描像の抽出が現時点での急務である。 上述の、実際の結晶構造及び、その中での原子の配置に則した理論的研究の他に、一見最も簡単であるが、その内容が十分理解されていないハバードモデルについての研究も数多くなされた。この際、強相関の下では、各格子上に電子が2個存在することは、エネルギー的に不利であるという事実をどの様な数学的方法で処理するかが問題となるが、スレーブ・ボゾン或はスレーブ・フェルミオン等の手法により、RVB等の状態について研究された。
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