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遠赤外領域の分光測定による超伝導機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 63631010
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関東京理科大学

研究代表者

長坂 啓吾  東京理科大学, 理学部, 教授 (80029470)

研究分担者 堀場 鉚一郎  東京理科大学, 理学部, 助手 (00084327)
研究期間 (年度) 1988
研究課題ステータス 完了 (1988年度)
配分額 *注記
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1988年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
キーワードBi-Sr-Ca-Cu-O単結晶 / 遠赤外透過スペクトル / 温度依存性 / 超伝導エネルギーギャップ / 超伝導電流の揺らぎ / ヴァリアブルレンジホッピング伝導。
研究概要

Bi-Sr-Ca-Cu-Oの単結晶が得られた。この単結晶の転移温度は80Kである。a-b面の伝導度に興味を持ち、この単結晶を劈開して厚さ約5μm面積2×2mm^2の単結晶の薄膜を得た。波数3〜40cm^<-1>及び波数15〜500cm^<-1>領域は、それぞれラメラー干渉計及びマイケルソン干渉計フーリエ分光計によって透過測定の実験を行った。試料温度8、50と90Kにおいて透過スペクトルが得られた。この結果は3〜300cm^<-1>全領域にわたって透過率は8Kが一番高く、温度が高くなるに従って透過率は低下した。また、波数依存性については3〜300cm^<-1>領域にわたって波数とともに吸収係数が低下した。T=80Kの上下の50Kと90Kでは、その透過スペクトルには大きな変化がなかった。一方、TimuskらはBi-Sr-Ca-Cu-O単結晶試料に関して、10〜300cm^<-1>領域で100±1%の反射立を観測し、300cm^<-1>に反射端を明確測定している。この反射からエネルギーギャップは300cm^<-1>であると報告されているが、本研究からあたかもgaplessであるかのような透過スペクトルが得られている。
また、3〜300cm^<-1>の吸収係数を透過スペクトルから計算すると、波数60、130、175、240、(290)cm^<-1>の各波数にphonon吸収が観測されている。と同時にα=650・ω^<1/2>に依存する吸収スペクトルが得られた。これはphoton-induced hopping による吸収であると考えられる。また、転移温度Tc=80Kより十分低温での酸化物超伝導体の電気伝導度は、常伝導体の銅の伝導度よりも低い事実と考え合わせると、上式の吸収は超伝導の揺らぎ、また、超伝導体の不完全な部分での伝導がphoton-induced hoppingとして観測されていると考えられる。
以上の研究から完全な単結晶の作製と透過スペクトルの研究を持続すれば、エネルギーギャプ周辺の光学伝導度が明らかにされ、また超伝導電流の揺らぎの問題が今後解決されて行くと期待している。

報告書

(1件)
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Masayuki,Sato;Keigo,Nagasaka;Takashi,Shibayama;Kohtaro,Ishida: Japanese Journal of Applied Physics VoL.27,No.12,December,1988,pp.L2333-L2335. 27. L2333-L2335 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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