研究課題/領域番号 |
63631504
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
大嶋 重利 山形大学, 工学部, 助教授 (40124557)
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研究分担者 |
奥山 克郎 山形大学, 工学部, 教授 (70007011)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1988年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | Cu-O結合距離 / 酸化銅 / 低次元 |
研究概要 |
酸化物超伝導体の、high Tcの起源、あるいは理論的解釈は未だ確定していない。しかし微視構造的観点からみると、ペロブスカイト構造の銅と酸素の結合が重要な役割をはたしており、その結合距離とTcには相関がある。したがって、CuOx薄膜のCu-O結合距離と電気伝導の関係を正確に求めることはhigh Tcの起源を実験的に解明する上で極めて重要である。本研究は、反応性スパッタリング法によりCuOx薄膜を作製し、酸素濃度と電気伝導の関係を求めCu-Oの結合距離とキャリア密度の関係を明らかにすることを目的としている。反応性スパッタリング法によりCuOx薄膜を作製し、構造・電気伝導の測定結果より次のことが明らかとなった。(1)酸素とアルゴン圧の比を変えた反応性スパッタリングにより、銅、亜酸化銅(Cu_2O)、酸化銅(CuO)薄膜が生成された。(2)得られた薄膜の電気抵抗を300〜15Kの範囲で測定した結果、金属的(銅)、半導体的(亜酸化銅)、絶縁体的(酸化銅)挙動を示した。(3)室温の電気抵抗率の値は、Cu_2O、CuOで極大を示し、CuOx(X〜0.75)で極小を示した。以上の結果より、CuOx薄膜においてCuの価数が1価のとき半導体的、2価のときは絶縁体的、1価と2価の混在で金属的なふるまいを示すことが明らかとなった。これは、現在の酸化物超伝導体のCuの価数の重要性と一致する。また、Cu-Oの結合距離は、CuO相においては現在の高温超伝導酸化物のそれより長く、酸素の欠損に伴い短くなる。したがって、低次元のCuOx薄膜を作製し、より酸素と銅の結合距離を短くできるならばCuOx薄膜においても超伝導遷移が観測される可能性があり現在その実験を進行させている。
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