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有機超伝導体の開発と電気物性

研究課題

研究課題/領域番号 63631521
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

森 健彦  岡崎国立共同研究機構, 分子化学研究所分子集団研究系分子 (60174372)

研究期間 (年度) 1988
研究課題ステータス 完了 (1988年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード有機超伝導 / 非対称ドナー / 二次元性
研究概要

1.新しい有機伝導体(DMDCNQI)_2Cu_2の異常な磁気的性質について調べた。この物質は低温まで金属的であるにもかかわらず、ESRで調べると80K以下にシグナルが現れる。その強度は最初キュリー・ワイス的に上り、30K付近で極大を作って低温で弱くなり、何らかの磁気的秩序が発達していることを示唆している。このようなスピン帯磁率の異常は磁気天秤を用いた静磁化率の測定でも観測された。低温での比熱の測定からは、電子比熱係数がかなり大きいものの、磁気的転移に対応する異常は見出されなかった。また磁気抵抗の測定でも特に異常は見出されなかった。
2.有機超伝導体β-(BEDT-TTF)_2I_3、(BEDT-TTF)_2Cu(NCS)_2の熱起電力を理論的に計算した。これらの物質は二次元的バンド構造を持つため、熱起電力は複雑な異方性、温度依存性を示す。そこで二次元強結合近似のエネルギーバンドを仮定して熱起電力を理論的に計算し、このような複雑な異方性、温度依存性を説明できることを見出した。この方法は一方ではトランスファー積分を実験的に見積もる方法として利用できる。
3.新しい非対称ドナーを持つ有機伝導体(EDT-TTF)_2AuBr_2を合成し、その構造と物性を調べた。構造解析とそれをもとにした分子軌道計算より、この物質はBEDT-TTFとTMTSFの中間の次元性を持つことが分かる。この物質は約20Kで金属-半導体転移を示すが、転位温度は圧力を加えてもわずかしか下がらない。ESR強度は80K以下でキュリー的な上昇を示し、電子相関あるいはアニオンの乱れによる電子局剤の強い系であることを示している。また20Kの転移はSDW的なものであると考えられる。熱起電力のデータよりバンド幅は0.63eV程度と見積もられた。

報告書

(1件)
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Takehiko,Mori: Solid State Commuinications. 67. 565-568 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Takehiko,Mori: Synthetic Metals. 27. A451-A456 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Takehiko,Mori: Synthetic Metals. 27. B237-B242 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Takehiko,Mori: Journal of the Physical Society of Japan. 57. 3674-3677 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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