研究課題/領域番号 |
63633524
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
寺野 寿郎 法政大学, 工学部, 教授 (90016212)
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研究分担者 |
増井 重弘 法政大学, 工学部, 講師 (40120836)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1988年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 画像認識 / 図形の言語表現 / ファジィ集合 / マクロ特徴 / ミクロ特徴 / ファジィ推論 |
研究概要 |
コンピュータによる画像理解の問題を、人間の画像認識過程のモデリングという視点に立って研究した。それは画像の意味理解の論理化につながると信じるからである。 ここでは認識の対象として同一種類でも大きさや形状が均一でない農産物のシルエットを選んだ。 まず、11種類の農産物の輪郭線を被験者に見せて、それぞれを言語表現させる。それを別の被験者に読ませて何であるかを推定させる。用いる言語は初め少数に制限しておき、それで正しい推定ができないときは言語の種類を少しずつふやしてゆく、実験の結果、マクロ特徴用の表現としては〔円、楕円、三角、四角、棒、弓〕、および、〔大小、長短、細い太い〕となり、それに 〔非常に、やや〕などの修飾語が組み合わされた。ミクロ特徴の言語としては〔表面の凹凸、端が突起、とがる・まるみ、平べったい、へたがある〕が得られた。 上記の言語表現はすべてファジィ集合で表されるが、それぞれの台集合は同一ではない。マクロ形状はファジィ集合の表現による〔直線、曲線、角〕という三つの要素の組合わせで表現されるが、ミクロ形状は似た表現でも台集合が異なっている。例えば〔突起がある〕は「鋭角が1個で凸曲線の部分が数個ある。」ということになる。 認識のモデルにはファジィ推論を用いた。前記の標準言語についてメンバーシップ関数を定め、探索はまず特定の対象物の第一特徴項目について全農産物を調べる。そしてマッチングの度合いが1/3以上のものを候補として残す。残ったものについて第二特徴を調べる。これを繰返すことによって敏速に農産物の選別ができる。以上のことから画像の特徴は、認識の目的と密接に関係していることが明らかになった。 これらの実験によって自然物の認識には画像の言語表現と、ファジィ推論の組合わせが有効であることがある程度実証された。
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