研究分担者 |
笠谷 光男 東北大学, 理学部, 助教授 (20004351)
佐藤 武郎 東北大学, 理学部, 助教授 (00004424)
桜井 醇児 広島大学, 理学部, 助教授 (30033814)
藤田 敏三 広島大学, 理学部, 教授 (20004369)
佐々木 互 東邦大学, 理学部, 教授 (60011436)
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研究概要 |
アクチノイド化合物の物性の総合的研究を行うさいまず必要となる基礎物性に関して、測定法と測定装置の調査および整備を行った。当初計画に比べ配算額が少なかったため、当初計画の測定装置を第1年度に整備することはできなかったが、分担者の属する4大学にある既設の測定装置を一部改造・整備した結果、以下の基礎物性測定が可能となった。 (1)比熱測定:温度範囲0.1〜90K,試料重量1〜10g (2)電気抵抗:温度範囲0.02〜300K,試料の長さ10mm (3)熱起電力温度範囲2〜300K,試料の長さ8mm以上 (4)ホール係数:温度範囲1.4〜300K,試料形状薄板状 (5)帯磁率:温度範囲0.02〜700K,試料約0.1gの塊状 (6)X線回折:温度範囲2〜1500K,粉末試料 この測定装置を用いてウラン化合物,セリウム化合物について以下の測定を行った。UNiSn,UPtSn,UPdIn,UPd,In,CeNiSi,CePtSn,CePdSn,CeNiIn,CePtIn,CePdIn,CePd_2In,LaPd_2In,U_3P_4の比熱、熱起電力,帯磁率、電気抵抗が測られ、ウラン化合物はセリウム化合物のように共通の振舞がなく化合物によって大きく性質が異っていることが明らかになった。ウラン化合物については超音波実験も含めさらに実験が行われる予定であるが、物性解明のためには上記の測定装置に関して次のような改良、拡充が必要と判断される。(1)比熱測定に関しては測定温度範囲を0.1K以下数mKまで、および90K以上室温付近まで拡充する。(2)熱起電力について温度範囲を2K以下0.1Kまで拡げる。(3)帯磁率測定を粉末試料で数十mgまで可能なように感度を向上させる。次年度にこの改良を行って試料作成グループからの要望にこたえることが必要である。
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