研究課題/領域番号 |
63635509
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 埼玉県立がんセンター |
研究代表者 |
後藤 修 埼玉県立がんセンター, 研究所生化学部, 主任研究員 (40142111)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | チトクロームP-450 / 構造予測 / 進化 / 電子伝達系 / ヘム結合 / 遺伝子解析 / 核酸配列データベース / アミノ酸配列データベース |
研究概要 |
1.[背景] チトクロームP-450遺伝子族は多重遺伝子族に属し、哺乳動物-ゲノムあたり少なくとも数十の遺伝子が存在する。これらはすべて単一の共通祖先に由来し、遺伝子重複と機能分化を重ねて今日の多様性を獲得したいものと考えられる。現在までに種々の生物種から100を越えるP-450遺伝子ないしはcDNAのクローンが得られており、対応する酵素蛋白のアミノ酸配列も知られるようになった。 2.[成果] 現在までに発表されたチトクロームP-450遺伝子、cDNA配列のうち12種についてデータを記録した。これらからの翻訳を含め1種の蛋白質アミノ酸配列を収集した。同一配列に対する重複した報告を除いて発表されたものをほぼ完全に網羅している。蛋白質配列の比較からチトクロームP-450遺伝子族は12のファミリーに大別できた。各々のファミリーは(バクテリアのものを除いて)4〜12億年前に共通祖先より分岐したものと推定される。完全長蛋白配列のアラインメントを行ない、4か所の強く保存された部位を見出した。バクテリアP-450CAMの立体構造を参照して、これらはすべてのP-450に共通の機能(O_2結合、電子伝達、ヘム結合)にそれぞれ関わっている部位であると推定された。知られている動物P-450はすべて膜結合蛋白であるにも関わらず、予測される二次構造は立体構造既知の水溶性であるバクテリアP-450CAMのものと極めて類似していた。このことは動物P-450の基本骨格がP-450CAMのものと同一であることと共に、その大部分が膜外に露出していることを物語っている。 3.[今後の方針] 今後も更にデータ収集を続けるとともに、基質選択性の由来などを知るためにより詳細な解析を進めたい。また今年度あまり行えなかった遺伝子レベルでの解析も重要となるであろう。
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