研究課題/領域番号 |
63636504
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伏木 亨 京都大学, 農学部, 助教授 (20135544)
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研究分担者 |
樋口 雅子 京都大学, 農学部, 教務職員 (40110762)
河田 照雄 京都大学, 農学部, 助手 (10177701)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 膵酵素分泌応答 / モニターペプチド / アミノ酸 / PSTI |
研究概要 |
ラットのタンパク質に対する膵酵素分泌応答系のメディエーターであるモニターペプチドの作用機作を明らかにすると共に、アミノ酸に対する応答を解析するためのモデルとして、アミノ酸に対する膵酵素分泌応答系をラットで誘導することを試みた。 (1.モニターペプチドの微量定量法の確立。)モニターペプチドに対する抗血清を用いて、ラジオイムノアッセイ系を確立した。モニターペプチドのN末端より18残基のペプチドを化学合成し、これを抗原とした。得られたラジオイムノアッセイ系は、ラットPSTI(2)、マウスEGF、牛膵臓塩基性トリプシンインヒビター、ヒトPSTIとは交差しなかった。最小検出限界は5ng/mlであり、ラット膵液や膵由来培養細胞の培養液に含まれるモニターペプチド量を直接測定できる。この系を用いて食品タンパク質が腸管でのモニターペプチド分解を抑える過程を、インビボ系で解析した。 (2.アミノ酸に対する膵酵素分泌応答系の、食餌による誘導。)ラットはアミノ酸に対して、ほとんど膵酵素分泌応答を示さない。ラットに、タンパク質をすべてアミノ酸で置換した餌を与えて、長期間飼育することにより、アミノ酸に対する膵酵素応答系が誘導されることを見出した。この時、タンパク質に対する膵酵素分泌応答は著しく低下していた。モニターペプチドは、わずかに低下していたが、タンパク質に対する応答の激減を説明できるものではない。むしろ、腸管の、モニターペプチド、受容体が減少しているものと推察される。アミノ酸に対する応答は、モニターペプチドを介する応答とは、異なる機構によることが強く示唆された。また、これらの機構が、各々食餌成分によって、誘導あるいは抑制されることが明らかとなった。
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