研究課題/領域番号 |
63638005
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
宮本 英七 熊本大学, 医学部, 教授 (50109659)
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研究分担者 |
西塚 泰美 神戸大学, 医学部, 教授 (10025546)
出口 武夫 東京都神経科学研究所, 生物化学研究部, 部長 (20073059)
中川 一郎 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (20029937)
芳賀 達也 東京大学, 医学部, 教授 (30011646)
藤沢 仁 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10027039)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
33,200千円 (直接経費: 33,200千円)
1988年度: 33,200千円 (直接経費: 33,200千円)
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キーワード | 神経回路形成 / シナプス / 受容体 / 細胞骨格蛋白質 / 神経伝達物質 / 細胞情報伝達 / 蛋白質燐酸化反応 |
研究概要 |
ニューロンの突起と標的ニューロンとの間に形成される神経回路は、複雑な脳機能の発現を可能にしている基本的で重要な構造である。神経回路の形成は厳密な選択性をもって行なわれている。ニューロン間の認識の成立に引き続き、特異な構造であるシナプスが形成されてくる。私達は種々の伝達物質受容シナプスについて、シナプス形成に必須あるいは関与している特定の蛋白質分子の同定、その発現の分子機構と調節、分子機能と制御機構を研究してきた。すなわち、1.シナプス機能発現の初期過程に係わる蛋白質の同定と分子機構の解明、2.シナプスにおける異なった化学受容体の情報受容の分子機構、3.シナプス機能発現に伴う情報変換系の動態と細胞内応答の分子機構、を研究対象としている。以上の研究目標を達成するために、(1)シナプス形成と蛋白質燐酸化反応、特にカルモデュリンキナーゼIIとCキナーゼの前シナプス性、後シナプス性部位での機能的役割に関する分析、(2)アセチルコリンムスカリン性、アミン性、GABA性、グルタミン性受容体に関する機能発現、構造の分子機構、(3)自律神経系におけるシナプス機能、(4)神経伝達物質の合成系酵素のチロシン水酸化酵素、コリンアセチル転移酵素の構造と調節系、(5)シナプス膜構成蛋白質の精製とその相互作用、シナプス形成における細胞骨格蛋白質の役割、特に、ホドリン、微小管蛋白質、収縮蛋白質のシナプス形成と形成後のシナプス機能に果たす役割の解明、(6)シナプス活動に重要な役割を演じているCa^<2+>動態とCa^<2+>チャネルの分子構造、(7)シナプス活動のエネルギー代謝の非侵襲脳による分析などが行なわれた。 これらの結果は、シナプス機能を形態学的、分子生物学的に解明していく上に大きな進展の認められたことを示している。今後さらに、蛋白質化学、分子生物学、免疫学、遺伝子組み換えなどの細胞工学、単クローン抗体、免疫組織化学法により、成果が期待できる。
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