研究課題/領域番号 |
63638007
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
研究代表者 |
黒田 洋一郎 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生化学研究室, 副参 (30073084)
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研究分担者 |
小林 和夫 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生化学研究室, 主任研究員 (80100139)
小倉 明彦 三菱化成生命科学研究所, 脳神経科学部, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | シナプス形成 / 大脳皮質ニューロン / 海馬ニューロン / 蛋白質リン酸化酵素 / Ecto-protein Kinase / モノクローナル抗体 |
研究概要 |
1.培養大脳皮質ニューロン間のシナプス形成とその定量的観察に成功し、グルタミン酸を伝達物質とする興奮性シナプスにより、多数のニューロンが同期した発火を起こしていることが判明した。 2.このシナプス形成系を用い、細胞膜を透過しない蛋白質リン酸化酵素阻害剤(K252b)を長期添加したところ、ニューロンの同期発火が抑制された。大脳皮質ニューロン間のシナプス形成過程に、Ecto-protein Kinase(細胞外に活性中心をもつ蛋白質リン酸化酵素)が関与していることが示唆され、新しい機能分子の存在が明らかにされた。 3.培養海馬ニューロン間のシナプス形成系に、PC-12細胞の細胞表面分子に対するモノクローナル抗体ライブラリーを順次長期添加し、シナプス形成に対する影響を検討したところ、47-67を始めとするモノクローナル抗体で、シナプス形成に関する抑制効果が見られた。ここでも、未知のシナプス形成に関与する分子の存在が示唆された。 4.培養海馬ニューロン間のシナプス形成系に見られる多数のニューロンの同期した発火のメカニズムの解析として、細胞外カルシュウム濃度を低下させ、シナプス伝達の遮断を行った。シナプス伝達が停止した状態でも、いくつかのニューロンは、同期しない発火を示した。ニューロン回路網の同期した発火は、これらの自発発火ニューロンの活動が、形成されたシナプスを介して、回路網全体に広がったためであることが判明し、この同期した発火をシナプス形成の定量的解析に用いることの安当性が支持された。
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