研究課題/領域番号 |
63638501
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
栗原 堅三 北海道大学, 薬学部, 教授 (00016114)
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研究分担者 |
柏柳 誠 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (20169436)
松岡 一郎 北海道大学, 薬学部, 助手 (40157269)
吉井 清哲 北海道大学, 薬学部, 助手 (30125364)
三宅 教尚 北海道大学, 薬学部, 助教授 (30133771)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ボツリヌス毒素 / GTP結合蛋白質 / ADPリボシル化 / トランスミッター放出 / 胎児脳細胞 / カルシウムイオン / ノルエピネフリン |
研究概要 |
ボツリヌス毒素が各種の細胞のGTP結合蛋白質をADPリボシル化することを見出し、詳細な検討を行なった。ラット胎細胞、心筋細胞、肝細胞、ウニの卵、電気ウナギの発電器官、各種の神経系の株化細胞にボツリヌス毒素(D型)を作用させたところ、24DKおよび26KD蛋白質がADPリボシル化され、神経系の細胞は24KDおよび26KDの蛋白質がリポシル化された。したがって、26KD蛋白質のリボシル化は神経系の細胞にのみみられると結論した。24KDおよび26KD蛋白質の特性を検討した結果、GTP結合蛋白質であることが明らかになった。この蛋白質の生理的役割に関しては、現在検討中である。 一方ボツリヌス毒素は、末梢神経系においてアセチルコリンの放出を抑制する作用を有することがよく知られている。本研究では、ボツリヌス毒素がラット胎児脳細胞のトランスミッターの放出を抑制するかどうかを検討した。この結果、ボツリヌス毒素は脳細胞からのノルエピネフリン、ドーパミン、GABA等の放出を抑制することが明らかになった。したがって、ボツリヌス毒素はトランスミッター放出に関する共通の機構を解明する上で有力な手段として使用出来ることがわかった。ボツリヌス毒素が、トランスミッター放出のどの過程に作用するかを明らかにするために、脳細胞をジギトニン処理し細胞膜の透過性を増大させた細胞標品を調製し、ボツリヌス毒素を作用させた。この細胞では、外液のカルシウムイオン濃度を上昇させると細胞内にカルシウムイオンが流入し、トランスミッターの放出がみられる。ボツリヌス毒素は、この系においても、各種トランスミッターの放出を抑制した。すなわち、ボツリヌス毒素は、カルシウム流入以後の過程に作用し、トランスミッターの放出を抑制することが明らかになった。
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