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神経終末に存在するボツリヌス神経毒素標的蛋白の検出とシナプス機能に於ける役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 63638509
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

成宮 周  京都大学, 医学部, 助教授 (70144350)

研究期間 (年度) 1988
研究課題ステータス 完了 (1988年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワードボツリヌス毒素 / 脳神経系 / ADPリボシル化 / GTP結合蛋白 / rho遺伝子 / 神経細胞機能 / アメフラシ神経節
研究概要

ボツリヌス毒素は、脳神経系に働き神経伝達物質の拡出抑制や神経細胞壊死などの特異作用を惹起する。我々は既にボツリヌス毒素中C_1とDにADPリボシル化酵素が存在し、脳神経組織において分子量21Kの特異蛋白を修飾することを見出してきた。本年度は、この反応の毒素作用発現に占める役割と基質蛋白の神経細胞における役割を解明するため、まずこの基質蛋白の精製と同定を行った。
1.基質蛋白の精製はADPリボシル化基質活性を指標としてウシ副腎を材料に行った。この結果、基質蛋白を細胞上清より収率2%で1800倍精製した。最終標品はSDS-PAGE上分子22Kに単一蛋白バンドを呈し、ADPリボシル化基質活性の他に、GTP結合活性、GTPase活性を示した。このことから、ボツリヌス毒素のADPリボシル化基質蛋白は、低分子量のGTP結合蛋白の一種であることが明らかとなり、我々はこれをGbと名付けた。また、ラット各組織においてこの蛋白の分布を検討した結果、これが脳神経系に極めて高含量に存在することが明らかとなった。
2.この蛋白の正体を更に明らかにするため、精製蛋白の部分アミノ酸の配列を解析し、既知蛋白・遺伝子のアミノ酸及び塩基配列との相同性を検討した。この結果、Gbがアメフラン神経節より単離されていたrho遺伝子の推定アミノ酸配列と高い相同性(88%)を示すことが明らかとなった。これによりGbはrho遺伝子産物であると推論された。
以上、本年度の研究は、ボツリヌス毒素がrho遺伝子の産物である低分子量のGTP結合蛋白質をADPリボシル化していることを示したものである。rho遺伝子はrasがん遺伝子の類似性より細胞の生存や分化に関わっているものとされている。今後、この蛋白の神経細胞での機能を解明し毒素作用との関連を明らかにする予定である。

報告書

(1件)
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Morii,N.: Journal of Biological Chemistry. 263. 12420-12426 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Narumiya,S.: Journal of Biological Chemistry. 263. 17255-17258 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Ohno,K.: Journal of Biological Chemistry. 263. 19764-19770 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Ushikubi,F.: Eicosanoids. (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Nakajima,M.: Biochemical and Biophysical Research Communications. (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] Sekine,A.: Journal of Biological Chemistry. 264. (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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