研究課題/領域番号 |
63638511
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
津本 忠治 大阪大学, 医学部, 教授 (50028619)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | シナプスの可塑性 / カルモデュリン / カルシウム / 細胞骨格蛋白質 / 皮質視覚野 / 発達脳 / グルタミン酸受容体 / カルスペクチン |
研究概要 |
ニューロンの突起が標的ニューロンに接触した直後からシナプス伝達機能が実際に発現するまでに想定される過程の一つに伝達物質受容体のシナプス後部への凝集がある。この現象は培養系の神経筋接合部で知られており、さらに受容体の可動性を制御する膜裏打ちカルモデュリン結合蛋白質の関与も示唆されている。哺乳動物の脳でシナプス形成時この過程が存在するかどうかはまったく不明であるが、最近、我々は仔ネコの大脳皮質視覚野においてシナプス機能が形成、強化される時期にCa^<2+>流入を起こすタイプのグルタミン酸受容体が最も強く発現することを発見した。さらに、Ca^<2+>カルモデュリンによって制御される膜裏打ち蛋白質(カルスペクチン、4.1蛋白質)がこの時期にシナプス後部と思われる部位に最も多く発現することも見出した。したがって、哺乳動物発達脳においてもシナプス後部へのCa^<2+>の流入が膜裏打ち蛋白質の結合性変化による受容体分子の凝集を引き起こしその結果信号伝達機能の発現、強化が起きるといった、一連の過程が想定される。本年度はこの作業仮説をより直接的に照明するため、皮質細胞にCa^<2+>キレーターであるEGTAを微小ガラス管電極より注入し求心線維の高頻度連続刺激後に生じるシナプス伝達の長期増強が起きるかどうかを観察した。その結果、EGTAが十分量注入されるとシナプス伝達の長期増強の出現が抑えられることが判明しCa^<2+>の流入がシナプス伝達の可塑的変化に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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